欅坂46 メンバー 一覧

「燃えあがる緑の木」
古代都市国家アテナイ(現ギリシャ共和国の首都アテネ)、ペリクレス統治下の民主政、その最高到達点を、よりにもよってグループアイドルというコンテンツに引用し、模倣しようとでもいうのか、平手友梨奈という偶像が在命する奇跡によってのみ楽園の慟哭は保たれる、という燃えあがる緑の木を中心にした、真っ白な青春の書=アイドルの物語が印された。それはおそらく、作詞家・秋元康の編み上げる詩情、その物語の最高傑作であり、集大成である。しかし、当然、楽園にも影はさす。
全能感を抱えた長濱ねるの登場と”ひらがなけやき”の誕生、そして独立。『サイレントマジョリティー』発表以後、常に詩的世界へ没入する20人の少女たちの、アイドルを演じる人間特有の思い入れに綻びが生じてしまった。アイドルを青春の書そのものと扱う少女に、青春の犠牲を受け入れろ、抱え込んだ不安を露出しろ、と迫るギニョール。大衆と対峙し、無理解に囲まれた少女たちが、やがて出した答え、それは「沈黙」だった。そうだ、”みんなで黙ってみよう”。
自身が抱いた幻想が、他者の想像力のなかで身勝手に作り上げられていくことに激しい拒絶感を示し、沈黙する少女たち。だがその拒絶によって少女たちは、ライブ舞台装置を演劇舞台へとすり替え、映像作品で作り上げた仮構の物語と融和させるという、シーンの主流の一方を引き受ける、アイドルの有り様を完成させる。
このグループのアイデンティティはアイロニーにあるのだろう。彼女たちはあたりまえの日常を喪失するが、青春の犠牲は抱きしめない。アイドルを演じるが、日常を仮装したりはしない。だから、不自然に、大きな声で笑うことはない。もちろん、アイドルを演じる日々のすべてが青春であるならば、いつか必ず青春に終わりが告げられる。少女たちは必ず、”白線流し”のように別れ別れになってしまう。この、青春を濫費する少女たちの横顔は、ファンに活力を与えると同時に悔悟を与える。夢を諦めた選択を後悔させる。
おそらく、欅坂46が実りある評価を浴びるのは、グループの歴史が収斂し、無駄な大衆が削ぎ落とされた”ロングデイ”を通過したあとになるだろう。クリシェと対峙し、大衆に向けて陳腐なメッセージを発しつづけるアイドルの集合であるのにもかかわらず。
欅坂46メンバー 一覧 (移籍含む)
1期生
平手友梨奈 渡辺梨加 渡邉理佐 今泉佑唯 織田奈那 上村莉菜 尾関梨香 小池美波 小林由依 齋藤冬優花 菅井友香 鈴本美愉 長沢菜々香 守屋茜 志田愛佳 米谷奈々未 石森虹花 原田まゆ 鈴木泉帆 佐藤詩織 土生瑞穂 原田葵
1.5期生
長濱ねる
2期生
井上梨名 関有美子 武元唯衣 田村保乃 藤吉夏鈴 松田里奈 松平璃子 森田ひかる 山﨑天 遠藤光莉 大園玲 大沼晶保 幸阪茉里乃 増本綺良 守屋麗奈
欅坂46 表題曲、歴代センター 一覧
・メジャー
【2016年】
1st.サイレントマジョリティー/平手友梨奈(初代)
2nd.世界には愛しかない/平手友梨奈
3rd.二人セゾン/平手友梨奈
【2017年】
4th.不協和音/平手友梨奈
5th.風に吹かれても/平手友梨奈
【2018年】
6th.ガラスを割れ!/平手友梨奈
7th.アンビバレント/平手友梨奈
【2019年】
8th.黒い羊/平手友梨奈