欅坂46 二人セゾン 評価

楽曲, 欅坂46

(C)二人セゾンミュージックビデオ/Sony Music Entertainment

「想像しなきゃ夢は見られない」

歌詞、楽曲について、

異国で老夫婦が営む散髪屋、茶色のソファー、1982年の「カレンダー」、雑誌の上に置かれたステレオラジカセから不意に流れてくる。聴こえてくる。二度、「二人セゾン」。「僕」は季節の記憶に囲繞される。「日常を輝かせ」た状景が描かれて行く。「忘れないで」と「君」に「教えられた」(*1)。幻影、目眩の揺り籠、季節の記憶の具現化、きわめて濃密に構築された虚構、その独自性はイノセントやピュアといった「実」を通り抜けて「白痴」という堅牢な「虚」へ辿り着こうとする。逆転。喪失の経験が儚さに映るのに、成熟には達せず未成熟のまま保存されている。不気味な胎動と忘却がある。

ライブ・映像作品について、

思いがけない偶発によって個人の情念が打つかりあうような不安定で脆い秤を想起させる。仮構のなかで揺くアイドルの日常が輝いてみえるのは、そのもうひとつの別の世界にも四季が流れ、彼女たちが浸透するからである。特に、菅井友香と志田愛佳の付着は聴衆をカタルシスに遭遇させるだろう。志田愛佳のみせた「嗤い」とは、その後のグループが意識的にコンセプトに定めた「演劇と歌唱のすり替え」の先駆けであった、と云える。「彼女がニヤリと嗤った」、このたったひとつの場面がグループの未来を決定づけた、という事実は欅坂46を批評するうえで看過が許されない出来事である。

 

総合評価 90点

アイドル史に銘記されるべき作品

(評価内訳)

楽曲 18点 歌詞 18点

ボーカル 18点 ライブ・映像 18点

情動感染 18点

引用:見出し、(*1)欅坂46 二人セゾン

歌唱メンバー:織田奈那、尾関梨香、長沢菜々香、上村莉菜、米谷奈々未、石森虹花、土生瑞穂、今泉佑唯、菅井友香、渡辺梨加、長濱ねる、渡邉理佐、志田愛佳、小林由依、齋藤冬優花、佐藤詩織、小池美波、平手友梨奈、原田葵、鈴本美愉、守屋茜

作詞:秋元康  作曲:SoichiroK 編曲:Nozomu.S Soulife

評価点数の見方