櫻坂46(欅坂46) 守屋茜 評判記
「軍曹と呼ばれる」
守屋茜、平成9年生、櫻坂46(欅坂46)の第一期生であり、初代副キャプテン。
アイドルが全力で走る、全力で悔しがる、笑ったり泣いたりする姿を眺め、激しく心を揺さぶられる、という、どのような時代にあっても価値を変えない不朽の魅力を打ち出した人物。闘争心、とくに苦闘としての多様性を伸ばし、その感性の豊かさはグループに彩りをあたえている。
とはいえ、「軍曹」と呼ばれ、ファンに親しまれたのも過去の話、現在、彼女の闘争心は美の追究に向けられているようで、耽美なアイドルへとスタイルを変えた。もちろん、本質的には、感性で生き抜く人、に違いはなく、耽美に陥りアイドルの魅力を自ら消却していく凡庸なアイドルと守屋茜を混同してはならない。とりわけこの人の美的感覚に目をみはるのは、その価値基準をナルシシズムに昇華させつつ、健全さの一切を損なわない点だろう。美の追究が、個性の欠落を招くことなく、多様性の獲得に、つまり個性の獲得につなげられている。
しかしグループが欅坂から櫻坂へと移動した今日、闘争としての守屋茜というアイドルの存在感は急激に薄れつつあるようだ。沈黙するアイドル集団というイメージを脱却しつつある状況のなかで、活力の象徴でもある守屋が頭角を現さず、むしろ一歩後ろに下がってしまった。
それはなぜだろうか。なぜ、そのように感じるのだろうか。満開の桜の下にたどり着いたかに見える今、その役割を終えた、ということなのだろうか。
総合評価 70点
アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物
(評価内訳)
ビジュアル 14点 ライブ表現 13点
演劇表現 12点 バラエティ 16点
情動感染 15点
欅坂46 活動期間 2015年~