欅坂46 渡辺梨加 評価

欅坂46

 

View this post on Instagram

 

渡辺梨加1st写真集【公式】さん(@berika_greece)がシェアした投稿

 

「このままのこのまま、完全なこのままがよかったのだ」

一言で云ってしまえば「天才」なのだが、この大仰な表現が決して過褒にはならない現役アイドルを挙げるならば、それは大園桃子と渡辺梨加の二名になるのではないか。両者に共通するのはデビューした段階で不完全な虚構を成立させてしまった点にある。渡辺梨加の場合、江國香織の小説のような、「イノセントだけれど不気味という独特の世界」(*1)を確立したことが大きな要因だろう。普段は無口でエントロピーが極端に低いアイドルを演じるが、感情が高揚し、それが巧妙に発散される瞬間、アイドルという虚構の内奥にある強烈な野心と虚栄心が剥き出しになり、渡辺自身が持つ生来の鮮やかさが明確に提示され、ファンはカタルシスを得ることになる。一方で、この異物感という手触りに苛立ちや居心地の悪さを覚えてしまうのは、対象がアイドルである場合、それは恋愛感情にほかならない。仮想恋愛ということであれば、その感触は、感情は、より一層増幅されるのではないか。

恋愛というものは、個人の主体性を越えて運動する、計算外のことが次々と起きる、賢明さを越えたところにしか現れないものです。だからこそ面白いものであり厄介なのです。自分とはこういうものだと思っていた枠からはみ出てくるものがある。それも多くは、嫉妬といった見たくない、認めたくないといった愚劣な部分が出てくるのではないでしょうか。

(福田和也「福田和也の文章教室」)

渡辺梨加に触れようとすると、関わろうとすると、自分の内に在るが決して”認めたくない感情”がわき出る。だから毎回どうしても緊張をしてしまう。この緊張感の要求こそ、渡辺梨加をトップアイドルへと押し上げる資質である。

 

総合評価 86点

現代アイドル史に名を残す人物

(評価内訳)

ビジュアル 18点 ライブ表現 14点

演劇表現 20点 バラエティ 18点

情動感染 16点

 

欅坂46 活動期間 2015年~

引用:見出し、江國香織「流しのしたの骨」
(*1)福田和也「作家の値うち」

評価点数の見方