欅坂46 志田愛佳 評判記
「欅坂46の光栄と必衰を象徴する」
志田愛佳、平成10年生、欅坂46の第一期生。
職業アイドルにエントリーされる多くのカテゴリーにおいて傑出した才能を発揮している。
青春に向ける活力だけでなく、青春の気だるい部分も隠さずに、アイドルのリアルとして提示してきた。他者の想像力の内側を自由に泳ぎまわるその姿は、どのようなフィクションを与えられても役の演じ分けを強制されない個性を打ち出す。その個性の最たるものが「踊り」であり、音楽の中に自分だけの世界を作り閉じこもった平手友梨奈に比肩する特異性、抵抗力を志田は描き出す。たとえば『二人セゾン』において描かれた志田の冷笑には、欅坂のブレイクと破綻、必衰を、あらかじめ先回りし笑っていたかのような、不気味なものを感じる。その才能、その器の大きさは、凡庸な作り手ではとても扱いきれないものだったらしく、志田は多くの同業者に本質を見誤らせた。
この逸材の性根を叩き直し、真っ当なアイドルを演じさせようとするグループであるようならば、欅坂46はあそこまでの成功を収めることはなかっただろうから、その点においては、志田の顛末は防ぎようがなかったものとして、受け入れるしかない。なんともアイロニーに満ちたアイドルである。
総合評価 75点
アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物
(評価内訳)
ビジュアル 16点 ライブ表現 16点
演劇表現 12点 バラエティ 15点
情動感染 16点
欅坂46 活動期間 2015年~2018年