STU48 今村三月 評価

今村美月 (C) STU48公式サイト

「暗闇からの視線」

屈託の無いアイドル像を描く。モチベーションのたかさ、高揚感の維持など、自発的能動性をアイデンティティにすり替えてしまうような立ち居振る舞いをみせる。彼女には「何度でも、何度でも」立ちあがる強い意志があるようだ。その意思の強靭さはアイドルとしての多様性の獲得に成功し、グループ内で特別な役割を担う。STU48が画策する筐体のイメージに合致するメンバーの一人である。バラエティ番組で溢す機智や突拍子もない言動はデビュー当時の松村沙友理を彷彿とさせる。自我の確立といった隘路の通過の際に生来の屈託の無さが損なわれなければ、やがて大物になるのではないか、と期待させる。

ライブ表現力については、経験値が技術にしっかりと反映されており、ファンは「暗闇」に包まれた空間に立っていても「今村三月」からの視線を感じ取ることが出来るだろう。彼女の揺きはファンとの深い絆を、妄執を作るだろう。大抵の若手アイドルは踊ることに必死になるあまり、表現力の高さ=ダンスの精確さと履き違えてしまうが、今村美月はそのような隘路に踏み込まなかったようだ。もちろん、アーティスト気取りの中堅アイドルたちも、この表現力に到達することは不可能である。安定性による心地よさとは、批評空間の土台となる。彼女のライブパフォーマンスに対する声量が成熟した議論として機能し成立するのは、やはり彼女に備わる技術が洗練や収斂ではなく、安定へと傾倒するからである。ダイナミックなパフォーマンスのさきにある、日常の表現と再現といったテーマ=演劇が今後、避けられない命題として彼女の物語の中に降り注ぐのではないだろうか。

 

総合評価 57点

問題なくアイドルと呼べる人物

(評価内訳)

ビジュアル 10点 ライブ表現 15点

演劇表現 7点 バラエティ 13点

情動感染 12点

STU48 活動期間 2017年~

評価更新履歴
2018/9/28 ライブ表現14→15

評価点数の見方