AKB48 宮崎美穂 評判記

AKB48

宮崎美穂(C)オリコンニュース

「冗長を極める」

宮崎美穂、平成5年生、AKB48の第五期生。
数あるアイドルグループの中でもAKB48に15年近くも居座るというのは並大抵のことではないだろう。36枚のシングルに参加し、表題作の歌唱メンバーに選抜された回数は11回。AKBメンバーの中では、恵まれたキャリアを持つ。けれどそのキャリアのほとんどが2011年に発売された『フライングゲット』当時までの、デビューから約5年のあいだに作られたものであるという点が、このアイドルを語るうえでの”かなめ”となるだろうか。
デビュー当時は、内面のうかがい知れない、めいぼう可憐な佇まいをして、センター候補、エース候補と目される、燦然たる輝きを放つ少女だった。卒業公演のスポットライトの下に立った宮崎は、それがほんとうに「宮崎美穂」なのか、確信を揺さぶるほどに、別人に変わり果てていた。身体の成長にともない、内面の魅力の乏しさが明るみになるなかで、喜怒哀楽を不自然に際立たせた、千千に乱れたキャラクターを演じ続けたことが引き金になったのだろうか、この人もまた耽美に憑かれたアイドルである。耽美に走ったことで、少女の頃の面影の一切を見失ってしまったようである。しかし平凡な少女というのは、なぜこうも判で押したように耽美に陥り、自己の内にある数少ない魅力を削ぎ落としてしまうのだろうか。平凡であることが、そうさせてしまうということなのだろうか。同期には、あの指原莉乃がいるが、指原のような多様性は求めるべくもなく、ダンスもまったく魅力的ではない。未成であった部分を成長させたわけでもなく、ただただアイドルがくたびれて見えることが、敗因となるだろうか。
14歳でデビューし、28歳で卒業。アイドルを語ろうとする際に、ではその全体を眺め評価するのか、ピークを語り評価すべきか、卒業を告げマイクを置くその瞬間を切り取るべきか、尽きない問いを生む人物でもある。

 

総合評価 43点

辛うじてアイドルになっている人物

(評価内訳)

ビジュアル 5点 ライブ表現 8点

演劇表現 7点 バラエティ 12点

情動感染 11点

AKB48 活動期間 2007年~2022年