STU48 誰かがいつか 好きだと言ってくれる日まで 評判記

STU48, 楽曲

(C)STU48/徳島新聞

「相思相愛は奇跡に近いのかもしれない」

歌詞について、

恋愛を比喩に頼らずに、素朴に、ありのままに、しっかりと丁寧に描写している。これは簡単にみえて実は物凄くむずかしい。
だれでも想像し不安になる、それでも”勝手に”経験してしまう、女性の、恋愛に対してだけは相手の発言を深読みし、身勝手に孤独な闘いを繰り広げる、滑稽さを上手に述べている。
ただし、「餃子」というワードの使用に、どうしようもなく、救いようがないくらいに、センスの悪さを感じてしまう。「話題を変える」「脈絡のなさ」を補完するために用意したものがよりにもよって「餃子」だったのか、と。これは、そこにたどり着くまでに描写した「私」に対する受け手の創造を裏切る行為である。想像の外側に回り込もうとする文体を文学的と呼ぶことは容易だが、この「餃子」にそのような狙いがあるとはおもえない。「今どきの女性」の目線に降りたつもりになった、若者との距離感を壊そうと企んだ作詞家のピュアの結晶がにじみ出ただけである。現代日本人の、恋愛を真面目に語る行為を滑稽とする姿勢や、恋愛に対し無理解と無感動を標榜する彼らの琴線に触れようと、真剣とも茶番とも捉えられないような視線のもと、アイドルという偶像を鏡にして恋愛を描いた点は、手腕がある、と云うほかないのだが。

恋よ、そなたゆえ、わたしたちは喜びを見出そうとして、なんという狂態を演じたことだろう!

スタンダール「赤と黒」

アイドルが私たちファンの前で狂態を演じるとき、それは、ほとんどの場合、やはり恋愛の力によるものだろう。この『誰かがいつか 好きだと言ってくれる日まで』のような楽曲の存在は、恋愛に対する寛容さを無意識のうちに育む効果があるのかもしれない。

ボーカルについて、

岡田奈々の存在に助けられている、とつよく感じる。このような場面の積み重ねで、STU48における彼女の存在理由が満たされいくのだろう。

 

総合評価 66点

再聴に値する作品

(評価内訳)

楽曲 13点 歌詞 15点

ボーカル 14点 ライブ・映像 12点

情動感染 12点

引用:見出し  秋元康/誰かがいつか 好きだと言ってくれる日まで

歌唱メンバー:磯貝花音、今村美月、岡田奈々、瀧野由美子、薮下楓

作詞:秋元康 作曲:木下めろん 編曲:木下めろん

 

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