SKE48 無意識の色 評価

「静寂には色があるんだ」
歌詞、楽曲について、
グループの集大成というよりは、クロニクル(年代記)に映る。「色彩」をテーマに扱った楽曲は、アイドルポップスのみならず多く存在する。詩的世界を構築する作詞家にとり、「色」とは、やはりあらゆる事象、物体、言語にメタファーを付与しやすい、普遍的な工具なのだろう。この楽曲の歌詞は、「無意識」という想像力の欠如に対する可能性を提示しているようにみえる。想像力の欠如をネガティブなものと捉えずに、「活力」を得るための受動的な装置と扱ってしまう点をどう受け取るべきか。作詞家に手腕がある、と評価するべきなのだろうか。
映像作品について、
「色彩」がもつイメージを、アイドル個人に、グループの歴史にファンがそれぞれ自由に当て嵌めることによって、ノスタルジックな世界への入り口(扉)が出現する。この単純明快な仕掛けは、グループにとっての”あたらしい世界”を拡充するための材料として、あたらしいファンを獲得するための入り口として、過去のコンテンツの息を吹き返す役目を果たしている。
総合評価 71点
現在のアイドル楽曲として優れた作品
(評価内訳)
楽曲 15点 歌詞 12点
ボーカル 13点 ライブ・映像 15点
情動感染 16点
歌唱メンバー:北川綾巴、松井珠理奈、江籠裕奈、大場美奈、小畑優奈、北野瑠華、惣田紗莉渚、高柳明音、竹内彩姫、日高優月、古畑奈和、鎌田菜月、熊崎晴香、後藤楽々、菅原茉椰、須田亜香里
作詞:秋元康 作曲:中山聡/足立優 編曲:佐々木裕