乃木坂46 あんなに好きだったのに… 評判記

「風の向きが変わり始めた頃」
歌詞、楽曲について、
21枚目シングル『ジコチューで行こう!』のカップリング曲。第38回全国高等学校クイズ選手権の応援ソング。
『僕だけの光』『泣いたっていいじゃないか?』に続く夢への応援歌であり、まず間違いなく若者の目線を意識した作品だが、前2作から作風をおおきく変えている。今作には若者の夢への衝動を後押しするようなメッセージは込められておらず、「恋愛」を歌っている。
風の向きが変わり始めた頃、クラスメイトを殴った教師に教科書を投げつける、など、作詞家・秋元康らしいアナクロな世界観を作っており、微笑ましい。あくまでも、大人になってしまった人間としての啓蒙、という姿勢に一貫している。こういう恋愛もあるんだ、とか、恋愛のはじまりは往々にしてこういうものなんだ、とか、そうした押しつけではなく、ひとつの物語を語ることで、しかもそれが作詞家の実体験であるかのように語ることで、若者の背中を押そうとしている。詩情そのものを窺えば、陳腐な設定であり写実味に乏しいものの、物語としての結構はしっかりとしている。ただ、これを言ったら元も子もないが、音楽の魅力に乏しく、これを繰り返し聴こうとはとてもおもえない。
総合評価 46点
何とか歌になっている作品
(評価内訳)
楽曲 8点 歌詞 12点
ボーカル 7点 ライブ・映像 10点
情動感染 9点
歌唱メンバー:秋元真夏、生田絵梨花、井上小百合、岩本蓮加、梅澤美波、衛藤美彩、大園桃子、齋藤飛鳥、斉藤優里、桜井玲香、白石麻衣、新内眞衣、鈴木絢音、高山一実、西野七瀬、星野みなみ、堀未央奈、松村沙友理、山下美月、与田祐希、若月佑美
作詞:秋元康 作曲:木下めろん 編曲:木下めろん