乃木坂46 生田絵梨花 評価

乃木坂46

 

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「21世紀アイドルの最高到達点」

まさしく大器であり、21世紀アイドルを代表する存在である。
アイドルとしてだけではなく、舞台女優としての類い稀な意欲、飽くなき探究心、挑戦という行為で自身の枠組みを壊そうとする姿勢。この英姿(資質)こそ、生田絵梨花を現代アイドルの最高到達点へ押し上げた要因だろう。

 

生動する状況の中で、登場人物がその条件と戦いながら自己の可能性を押し広げてゆくような小説が読みたい、という希望は、反時代的にすぎるだろうか。
(福田和也「作家の値うち」)

 

5thシングル『君の名は希望』以降の生田絵梨花は自己のみならず、アイドル界の枠組み、限界を拡充することで、アイドルという存在自体の可能性の幅を押し広げてきた。それは、乃木坂46というアイドルグループが、全く新しい活動領域を獲得していく光景に重なる。
わき目もふらずに隘路の壁を掘り進んでいく力強さから伝播する信頼感。生まれ持った自己認識の強さ。そして客観性の欠如した立ち居振る舞いは、アイドルとしては前例がない「ユーモア」と映り、次の瞬間になにが起こるのかまったく予想のつかない不安と興奮を、観る者に与えた。ただし、少女から大人の女性へと成熟するにつれて、そのユーモアは、箒にまたがって空を飛ぶ魔法使いの少女がある朝突然、魔法の力を失ってしまうみたいに、生田絵梨花から損なわれてしまった。

生田絵梨花の他者(人物)に対する距離感の掴み方は優れた歴史家を彷彿とさせる。歴史家(作家)とは歴史上の人物を自分と同じ「人」として、想いを馳せながら文章を書く。塩野七生はユリウス・カエサルを、司馬遼太郎は坂本龍馬を、批評家・福田和也は乃木希典を叙述し、彼らの目線、手触りを描写した。生田絵梨花の場合、対象が歴史上の人物ではないが、この試みを日々すれ違う、この先、もう二度と交錯することがないと想う「他人」との交流のなかで実践している。「あの人もわたしと同じ人間なんだ」と。

努力とは仲間と困難な目標を成し遂げた際に、歓喜し、安堵する仲間たちを尻目に、もう次の新たな壁を登るために準備を始めるような行動を指す。生田絵梨花は努力ができる数少ないアイドルのひとりである。自己超克とも呼ばれるこの行為は、周囲に疎ましさや息苦しさを与えることも少なくない。しかし、それでも、アイドル・生田絵梨花は犀の角のようにただ独り歩むのである。孤独や孤立感こそが、文芸という「虚構」を作り上げると熟知しているかのように。

 

総合評価 94点

アイドル史に銘記されるべき人物

(評価内訳)

ビジュアル 18点 ライブ表現 18点

演劇表現 20点 バラエティ 19点

情動感染 19点

 

・乃木坂46 活動期間 2011年~

評価点数の見方