日向坂46 3期生 山口陽世のダンスに期待する理由

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山口陽世/写真右(C)音楽ナタリー

「センス」

メモ帳を開くと、小坂菜緒に対する走り書きが散見するようになった。そろそろブログに書いてみよう、思い立ち、彼女に関する、あるいは日向坂46に対する情報を取捨選択していると3期生の山口陽世(やまぐちはるよ)がバラエティ番組で野球のピッチングを披露している場面にぶつかった。強烈な一撃だった。私は野球に関してはまったくの素人なので彼女の投げる白球のスピードとその威力がどれだけ凄いのか、わからないが、なによりも見惚れたのは彼女の投球フォームだ。ボールを投げおわったあとに描かれる残像は、昔甲子園球場で観た松坂大輔を想起させ、あだち充の描く国見比呂をつよくイメージさせた。漠然と「主人公」を想った。
「フォーム」というのはそれを作る人間の「センス」の現れだと私は考える。野球でもボクシングでも演劇でも、それこそ作家の文体でもいい。なにを格好良いとおもうのか、規範を立てる。目標に定めたものにどれだけ近づけるのか、再現できるのか。もちろん再現の到達には「反復」が必要になるはずだが、同時に、それはやはり「センス」の集約であるはずだ。要は、「反復」を可能にする直向きさや愚直さがあっても、目標とするものが格好悪ければ、結局それまでの話なのだ。まず、格好良いものを格好良いと捉えるセンスが求められる、そしてそれを再現するために「反復」が必要になる、ということだ。山口陽世というアイドルにはこの「センス」と「反復」がそなわっている、と感じる。そしてグループアイドルの場合、この2つの資質がもっとも活かされ、アイドルに輝きを与えるであろうシーンこそ「ダンス」になるはずだ。あるいは、伊藤万理華のように映像世界での表現行為にも活かされ、「アイドル」の物語の拡がりにつながるかもしれない。いずれにせよ、たったひとつの場面で観者をとりこにして憧憬を抱かせる…、このようなアイドルには、やはり、その内面に並みなみならぬ個性の誕生を予感し、期待せざるを得ない。

2020/08/28  楠木

 

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