AKB48 制服が邪魔をする 評判記

「お父さん、ごめんなさい」
歌詞、楽曲について、
戦略的思考の露出よりも、グループアイドルに対するひとつの自我の成立に注目する。「制服」の扱い方に救いようのない荒々しさを覗くが、その未熟さの在り処が示すものこそ、楽曲を制作した当時の「渋谷」の街に伏在した、カラスに食い散らかされたような倫理観の手触りであり、『制服が邪魔をする』は、ひとつの「時代」ではなく、ひとつの「世代」を映す鏡と扱えるかもしれない。
しかしこうした観点を用いること、つまりアイドルと社会を結びつけて語ることの退屈さはやはり無視できないだろう。なによりも、楽曲そのものの魅力が乏しく、時代が移り変わった際にあらためて円盤に保存されている詩的世界に触れてみよう、没入してみよう、といった希求力は一切そなわっていない。
総合評価 38点
人に聴かせる水準に達していない作品
(評価内訳)
楽曲 6点 歌詞 11点
ボーカル 6点 ライブ・映像 8点
情動感染 7点
歌唱メンバー:板野友美、大島麻衣、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、中西里菜、前田敦子、峯岸みなみ、秋元才加、大島優子、小野恵令奈、河西智美、増田有華、宮澤佐江
作詞:秋元康 作曲:井上ヨシマサ 編曲:井上ヨシマサ