日向坂46(けやき坂46) 小坂菜緒 評判記

「当代一の人気アイドル」
小坂菜緒、平成14年生、日向坂46(けやき坂46)の第二期生であり、初代センター。
隆盛を極めるアイドルシーンの表紙を飾る、当代一の人気アイドル。あらゆる紙媒体で活写されるそのアイドルの容貌は古典的であり前衛的である。「小坂菜緒」を眺めることは、もはや日常的な感受を乗りこえた先にある絵画鑑賞の趣をもつ。現前でしかないそれは、もっとも純粋な、視覚への刺激であり、アイドル観の彫琢であり、こころの内奥に静かにふりつもる、押さえようのない快楽である。
この人のアイドル的香気を一言で表現するならば、自己否定によったアイドル、ということになるだろうか。自己否定だったり、弱さだったりをアイドルの語り口にする少女は多いけれど、この人ほどその屈託を強く握りしめるアイドルはほかにいない。その暗さはファンにアイドルの魅力の在り処を見失わせるほどであり、冬芽してもなお彼女の素顔・本心はヴェールに包まれたままだ。自己否定を軸にアイドルを編む少女たちの象徴、いや、境地と呼べるかもしれない。だが『僕なんか』においては、アイドルの思惟、思弁、心情、私情つまり魅力をうかがい知ることができないという、しんねりむっつりとしたアイドルの有り様がそのまま作品に落とし込まれるなど、余人には提示し得ない「与件」のなかで、その存在感を再びシーンに刻み付けている。
総合評価 66点
アイドルとして活力を与える人物
(評価内訳)
ビジュアル 17点 ライブ表現 15点
演劇表現 14点 バラエティ 8点
情動感染 12点
けやき坂46 活動期間 2017年~