STU48 田口玲佳 評判記

「青春の相互共有」
田口玲佳、平成13年生、STU48の第二期生。
STU48にあっては、ルックスを売りにできる数少ない登場人物と呼べるだろうか。まるでお人形さんみたいに、キュートなアイドルである。お人形さんのように見えるのは、ルックスだけではない。アイドルとしてのあり方もまた、お人形さんみたい、である。とりわけ、ファンとの精神的なふれあいに無縁である点、この先自分が芸能の世界で羽ばたくことは絶対にあり得ないだろうという確かな予感、自覚が、空想的なイメージの一切を排除して、生活の困窮だったり、学業における屈託だったり、「現実」をアイドルの語り口にすることでファンの共感を誘う、青春の相互共有を果たす点は、いかにも今日的なアイドル像であり、つまり田口の欠点である。
厭世的にすぎるのか、肝が据わっているか、わからないが、カメラの前でも、ステージの上でもほとんど表情が変わらず、アイドルが微動だにしない。この人は、常に同じ角度から、常に同じ表情で、常に同じテンションをもってファンに話しかける。自分がもっともうつくしく見えるシチュエーションへのこだわり、自分の容姿がファンの眼にどう映るのか、という点にのみ注意を打ち込んでいる。その枠取りは、特に踊りにおいて足を掴んでいるように見える。田口は2019年にデビューしたグループアイドルだが、ステージ上での立ち居振る舞い、つまりダンス、歌のいずれもデビュー当時からまったく成長しておらず、ほとんどアマチュアから抜け出ない。
総合評価 42点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 13点 ライブ表現 6点
演劇表現 7点 バラエティ 5点
情動感染 11点
STU48 活動期間 2019年~