NGT48 本間日陽 評判記

NGT48

(C)本間日陽インスタグラム公式アカウント

「コンプリートアイドル」

本間日陽、平成11年生、NGT48の第一期生であり、3代目センター。
聡明で才はじける、丹花の主人公。言葉の最良の意味におけるエースであり、言葉の真の意味で王道アイドル。
本間が王道たる理由は、やはりその「笑顔」にあるだろう。生来的には、無垢で、いたずらで、あざやかな笑顔を正面から提示する、活力に溢れたアイドルだが、「山口真帆暴行被害事件」という複雑な事情を背後に置いた『絶望の後で』をパセティックに歌い踊り表現してからは、比類ない境地をひらいたかに見える。
その「境地」を一言で云えば、アイドル=幻想という建て前が成立しない状況、つまり絶望を、青空の見えない現実生活という一般生活者の誰もが抱く屈託に重ね合わせることで、その「現実」を変えようとする行動もまた「アイドル」への変身に相違ない、という、アイドルのあり方が新たな段階に入ったことを告げる鐘である。
そうした「変身」は、たとえば本間をセンターに配した『渡り鳥たちに空は見えない』において見事に再現されている。かつて途方も無い絶望に落ち込んだ少女たちが渡り鳥に変身して空に飛び立つという実体としてのイメージの中で、音楽的カタルシス、アイドル的カタルシス、そのどちらの出現も叶えている。「アイドル」があるから夢が見られる、のではなく、夢を見るから「アイドル」になり得るのである。
こうしたアイドルに向ける解釈が、「笑顔」への鑑賞によって得られる点に本間日陽の王道さがある。勘違いしてはならないが、どのような場面でも笑顔でありつづけるから「王道」なのではない。笑顔に「アイドル」を包括し、笑顔の内にあらゆる感情をコンプリートするから、王道アイドルたり得るのである。

 

総合評価 80点

現代のアイドルを象徴する人物

(評価内訳)

ビジュアル 16点 ライブ表現 16点

演劇表現 16点 バラエティ 16点

情動感染 16点

NGT48 活動期間 2015年~