NGT48 宮島亜弥 評判記

NGT48

宮島亜弥(C)NGT48Instagram公式アカウント

「ヘタレって言わないで!」

宮島亜弥、平成9年生、NGT48の第一期生。
NGT48の立ち上げメンバーとして、約3年、活動するも、これといって話題をもたない。研究生の身から正規メンバーへと昇格し、形式的ではあったが、シングル表題作の歌唱メンバーも経験している。グループアイドルとしてのサクセスを、一定のところまでは網羅している。AKBの河西智美から毒を抜いたようなビジュアルの持ち主で、そのとおり、おっとりとした、言葉、歌、踊りの無害なアイドルをつくっている。
こうしたイメージが、起伏のないアイドルだというイメージへと連なってしまうのだろうか。加入オーディションの最終審査前日に体調を崩し、審査会場に向かうかどうかの葛藤にはじまり、無事アイドルになってからも、健康面にはひどく苦しんだ。体調不良によって休業も経験している。卒業を決断した理由もまた「体調不良」である。終始、不安定なコンディションに悩まされたアイドルだということになるが、そうした現実の問題を乗り越えることができなかった点に、この人の弱さ、つまりアイドルとしての弱さがあらわれている。
変わらない日常のなかで行動を起こそうと決心した際に、またなにか大きなイベントを控えたその直前に、ほかでもない自分の身体に足を引っ張られてしまうと、運命だとか、宿命だとか、考えて、萎えてしまう人は多い。一方で、そうした災難に繰り返し見舞われても、前を向きつづけることができる人間が、たしかに存在する。どちらがアイドルとして大成するのかは、あらためて問うまでもない。
宮島の、常に本性を隠しているかのような微笑の佇まいには引かれるものがあるにはあったが、結局、秘められていたであろう素顔――アイドル本人にとっても不作為であるもの――がファンの眼前に提示されることは一度もなかった。あるいは、
休業から復帰したその当日中に卒業を発表するという、つまり卒業報告のためだけに復帰するという、なんとも倒錯した誠意=ファンサービスの内に、彼女の本性を垣間見るべきだろうか。

 

総合評価 42点

辛うじてアイドルになっている人物

(評価内訳)

ビジュアル 8点 ライブ表現 11点

演劇表現 7点 バラエティ 8点

情動感染 8点

NGT48 活動期間 2015年~2018年