NGT48 宮島亜弥 評判記

NGT48

宮島亜弥(C)NGT48Instagram公式アカウント

「ヘタレって言わないで!」

宮島亜弥、平成9年生、NGT48の第一期生。
17歳でデビューし20歳でアイドルを卒業する。アイドルとしての物語は3年。長すぎず、短すぎず、といったところか。アイドルの高齢化、と叫ばれる今日のシーンに鑑みれば、3年、これはなかなかバランスが良い。表題曲の歌唱メンバーにも2回選出されている。結果的にやや形式的なものになってしまったが研究生から正規メンバーへの昇格といった教養的ストーリーも持っており、冗長な場面はほとんどない。NGT48の一員として、グループアイドルのイベントを一通りこなしているようにみえる。ただ、見所はほとんどない。
なぜファンは自分のことを応援するのか、自分の夢に乗ってくれるのか、つまり推してくれるのか。ファンの眼に映る自分が本来の自分ではない奇妙さからむしろ自己の魅力を発見していくという、グループアイドル特有の投射を宮島亜弥も体験し、それをインタビューなど、メディアを通し朗々と語ることで、深く実感し自身の心に落とし込んでいったようである。この、ある種の妄執つまり無条件で差し出される信義のようなものと出遭った際に、現実からの問いかけや誘惑を無視してそのファンの幻想になりきる、偶像を演じ続けることができるのか、という点が「凡庸」か「非凡」かのひとつの岐路になるのだろう。
宮島亜弥のストーリーを読むと、彼女の眼の前には常に一貫して「現実」の問題があり、たとえば、それはコンディションの問題として如実に姿を現している。加入オーディションの最終審査前日に体調を崩し、審査会場に向かうかどうかの葛藤にはじまり、卒業理由にもなった体調不良による休業と、終始コンディションに苦しんでいる。要するに、現実からの執拗な問いかけと誘惑によって、アイドルを演じることが「現実」を勝らなかったようだ。アイドルの物語に見所=フィクションが作られていない。良くも悪くもファンのイメージを裏切らない性格の持ち主で、おっとりとした癒やし系アイドル、という河西智美から毒を抜いたような緊張感の欠如したビジュアル評価から一歩も踏み出ておらず、安心感を伝える一方で、アイドルが自己の枠組みを壊し可能性を探るという成長への期待感に欠ける。昨日と今日ではまったくの別人に見える、といったスリリングさがない。
また、このひとも「山口真帆」の枠に押し込まれるアイドルであり、情報としてのアイドルの正統さを汚されている。休業からの復帰当日に卒業を発表するという、ファンに向け倒錯した誠意を示そうとする無垢な行動によって、物語の最後の1ページでかろうじて素顔を提示している。

 

総合評価 41点

辛うじてアイドルになっている人物

(評価内訳)

ビジュアル 8点 ライブ表現 10点

演劇表現 7点 バラエティ 8点

情動感染 8点

NGT48 活動期間 2015年~2018年

 

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