NGT48 長谷川玲奈 評判記
「名もなき戦士」
長谷川玲奈、平成13年生、NGT48の第一期生。
この人もまた、菅原りこ同様に「山口真帆 暴行被害事件」の話題(山口真帆に寄り添った数少ないメンバーだという一点)に絡め取られ、アイドルとしての評価を正当にうけていない。けれども、これも菅原同様に、長谷川玲奈というアイドルの魅力を考え、捉えることが、「山口真帆 暴行被害事件」における長谷川の行動力を裏付け、事件に帰結してしまうこともまた、退けることのできない事実だ。
アイドルとしての実力は、折り紙付きである。活動した約4年間、NGT48名義で発表したすべてのシングルにおいてその表題作の歌唱メンバーに選抜されている。『produce48』への参加を決意したチャレンジ精神をみてもわかるとおり、踊ることを得物とするアイドルで、ステージの上に立つとガラリと表情が変わる。憧れであった田野優花に強く影響されたのだろうか。田野が常にそうであったように、音楽に曲線を浮かべるような、猛々しい踊りのなかで自己を表現しようと試みる、雰囲気の濃く出たアイドルだ。
田野と似ているのは、踊りだけではない。言葉や立ち居振る舞い、ポレミックな戦闘性によった決断力もまた田野の面影を強める。アイドルという、憧れた夢の暮らしを投げうってでも、大事なものを守る、この世には「アイドル」よりも大事なものがたしかにあるのだということを、当事者でありながら、なんらためらうことなく果敢に示し、ハレーションを打ち消したその行動力は田野優花に比肩するものだ。
アイドルシーン全体で見れば、人気、知名度、いずれも乏しい。名もなき戦士、と呼ぶほかにない。けれど同業者、とくに後続のアイドルに限って云えば、長谷川玲奈の物語が与えた影響はきわめて大きい。
総合評価 56点
問題なくアイドルと呼べる人物
（評価内訳）
ビジュアル 10点 ライブ表現 12点
演劇表現 9点 バラエティ 12点
情動感染 13点
NGT48 活動期間 2015年～2019年
