AKB48 田野優花 評価

AKB48

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「遠い異国の硬貨のようだ」 


将来を嘱望されながらも、反抗期ですべてを失ったアイドルである。
デビューしたばかりの田野優花をはじめて観た時の印象は今でも覚えている。「これでAKBもしばらくは安泰だな」と、わたしは確信したのだ。直後に反抗期による、自暴自棄ともとれるような醜態をファンの前で晒してしまう田野優花を眺めることになるのだが。

 しかし、この問題は、はっきりと言ってマネージメントの範疇である。マネージメントさえしっかりできていれば、乃木坂46の星野みなみのようにイメージダウンは極力避けることは可能である。本人に資質があれば、それをプラスにかえることも可能だ。
田野優花の悲劇は、マネージメントにも見捨てられ、本人にもそれを乗り切る為の独特な資質が備わっていなかったことだろう。

「この花瓶はもうこわれてしまって、元どおりにはなりません。かつてわたしの心を支配していた感情も、これと同じことです。そのために、いろいろ血迷ったまねをしましたが、どうかお許しください」
(スタンダール「赤と黒)

本人にも自覚はあり、後々激しい後悔におそわれたが、手遅れであった。
この世界には、どうやっても取り返しが付かないこと、というものが存在する。
一度壊れてしまったものはもう二度と同じカタチには戻れないのである。

隘路という壁の前で立ち尽くすことになった田野優花は、髪の先端を黄色に染め、自分がどこに向かって歩いているのかさえよくわからないヒッピーのような風貌で、劇場でもなく、コンサート会場でもなく、寂れた事務所の一室で、アイドルからの卒業を発表するという顛末をむかえることになる。

「でも外見だけじゃなくて、中身もだいぶ変わった印象を受けました(略)」
「まあ痛い目に遭ってたしかに以前よりはかしこくなったんだろうな。でも人は、痛手を負ってかしこくなり簡単には笑わなくなった女の子を、テレビで見たいとは思わないものだよ」

(綿矢りさ「夢を与える」)

田野優花の演技に関しては、舞台向きだろう。映像作品では「日常での仕草や表情」を求められるが、その点での演技力は低いようにおもう。

表現をすること、というのは技術だけではない。いくら必死に、寡黙にストイックに反復練習を重ねても、最高点をつけられるような「領域」には決してとどかない。「表現」にはその人物の物語が反映するものだが、田野優花にはアイドルとして自意識が欠如しており、表現に滲み出てくる物語が決定的に不足しているのである。

 

総合評価 68点
アイドルとして活力を与える人物

(評価内訳)

ビジュアル 10点 ライブ表現 15点

演劇表現 18点 バラエティ 15点

情動感染 10点

 

・AKB48 活動期間 2011年~2018年

評価点数の見方