AKB48 佐藤亜美菜評判記

「アイドルマスター」

佐藤亜美菜、平成2年生、AKB48の第四期生。
劇団研究生と銘打たれた4期にあって、その役割をもっとも忠実に演じたメンバー。
4期生のなかでトップアイドルへと成長を遂げたメンバーは一人もいない。ゆえに不作の期として、ファンのあいだで評価をかためている。1期から3期までの既存のメンバーで構成された各チームのサブメンバー、言わば代役を探すオーディションの合格者たちという視点で眺めれば、不作、ではなく、不遇、と言ったほうが正しいが。
佐藤亜美菜の目ざましさは、そうした境遇に立ち、グループの谷間に置かれた自己を目の当たりにしても、けして屈曲することなく、与えられた役割を担いきる行動力、「アイドル」に向ける情熱にあり、あらゆる局面に対応できるライブパフォーマンスを身に着けたその彼女の多様性に並べる者は、ほとんどいなかった。とりわけ、平凡な少女が、ある日、突然、魔法の力によってアイドルに変身したのだというファンタジー目線のなかでファンに自身の魅力を伝えようと試みる童心、アンダーという立場をトラジック・ヒロインとして描くことを拒み、あくまでもアイドルの側からファンに活力のアプローチを行う使命感が、この人の魅力の特徴になるだろうか。
当然と云えば当然だが、佐藤は、「不遇」に閉じ込められた少女が紆余曲折を経て「選抜」の扉をひらくという、グループアイドル的カタルシスにファンを遭遇させたアイドルの”はしり”でもある。デビューから卒業まで、選抜メンバーでありつづける少女は、一握りしか存在しない。今日では、多くの少女がまず「アンダー」を経験し、そこからサクセスストーリーを編み上げていく。であれば、やはり佐藤は真にアイドルマスターと呼ぶべき登場人物だろう。
卒業後は、以前から夢だと語っていた声優業にチャレンジする。

総合評価　63点

アイドルとして活力を与える人物

（評価内訳）

ビジュアル　11点　ライブ表現　13点

演劇表現　13点　バラエティ　12点

情動感染　14点

AKB48　活動期間　2007年～2014年