AKB48 金子智美 評判記

「愛獣」
金子智美、昭和64年生、AKB48の第四期生。
狭き門をくぐり抜け、アイドルの扉をひらいてから6ヶ月、研究生候補あるいは研究生の立場のまま架空の世界から旅立っている。語るべき物語を一切、持たない。つまるところ、「後日の話」を読むことでグループアイドルとしてどれだけの可能性を秘めていたのか、想像に頼るしかないのだが、AKB48にはこのカテゴリーに属する人物がけしてすくなくはない数存在している。想像力を試され、途方に暮れると同時に、顔を持たない何者かを物語る、という思考経験に彼女たちは刺激をあたえてくれる。
卒業後(卒業ではなく「辞退」と表記したほうが適切かもしれないが)の行方を、ウェブニュースやブログで追いかけてみると、少女はその後、「元AKB金子智美」という肩書きを得物に、グラビアアイドルとして活動しているようだ。グループアイドルを辞めたあとも順位闘争に明け暮れているようで、情動の発露ではなく、節度や抑制そのものを欠如した大胆な立ち居振る舞いを披露している。芸能=文芸の世界において、才能を持たない人間が否応なく遭遇することになる局面、ファンの見たくない愚劣な部分をさらけ出すというある種の醜態を軸にして、”それなり”の話題を提供している。
2017年には双葉社刊行「漫画アクション」主催のミス・コンテスト「ミスアクション2017」というグラビアアイドルを対象としたコンテストで見事にグランプリを受賞している。しかし、アイドルのアナザーストーリーの代名詞でもある、”もし、彼女がグループを辞めていなかったら”という観点で眺めた際に増山加弥乃のような感興を金子智美から受取ることはなかった。
総合評価 36点
アイドルの水準に達していない人物
(評価内訳)
ビジュアル 8点 ライブ表現 6点
演劇表現 6点 バラエティ 9点
情動感染 7点
AKB48 活動期間 2007年~2007年