乃木坂46 嫉妬の権利 評判記

のぎざか, 楽曲

(C)嫉妬の権利ミュージックビデオ

「嫉妬の権利」

恋愛というものは、個人の主体性を超えて運動する、計算外のことが次々と起きる、賢明さを越えたところにしか現れないものです。だからこそ面白いものであり厄介なのです。自分とはこういうものだと思っていた枠からはみ出てくるものがある。それも多くは、嫉妬といった見たくない、認めたくないといった愚劣な部分が出てくるのではないでしょうか。

福田和也/福田和也の「文章教室」

歌詞について、

主人公は嫉妬を抱く自分自身の影を「ウザい」と定めている。それはやはり、自身の感情を『愚劣な部分』と自覚しているからだろう。嫉妬の「権利」であるのだから、当然、描かれるのは主人公の自己完結した怒りやもだえである。とにかく「行動」をしない主人公の物語を書くのが得意な作詞家・秋元康にとって、この「権利」は各登場人物に視点をもたせることを容易にしたのではないか。片想いをプラトニックな恋愛として描かずに、日記という形式をとりながら、嫉妬の情動を自己省察する人物を描いた点に作家としての資質のたかさを感じる。

ミュージックビデオについて、

良い。嫉妬を映像で表現するために俯瞰的な「覗き」を取り入れた点に発想力を感じる。非日常的な状況下における妬心、そこに生まれるであろう表情を演技要求した、というのは高い評価につながる。このミュージックビデオ提供後、演じたアイドル本人ではなく、「嫉妬」を眺めたファンが映像のなかに立つアイドルを現実のアイドルと重ね合わせ、ひとつの妄執を作った。その妄執に囲繞されたアイドル自身も、やがて楽曲が提示した登場人物にすり替わって行くことになった、という展開から、アイドルのアイデンティティを成立させた作品と呼べるかもしれない。

 

総合評価 58点

聴く価値がある作品

(評価内訳)

楽曲 10点 歌詞 14点

ボーカル 10点 ライブ・映像 14点

情動感染 10点

歌唱メンバー:川後陽菜、渡辺みり愛、山崎怜奈、佐々木琴子、相楽伊織、伊藤純奈、鈴木絢音、伊藤かりん、和田まあや、中田花奈、新内眞衣、川村真洋、永島聖羅、能條愛未、樋口日奈、斎藤ちはる、斉藤優里、北野日奈子、堀未央奈、中元日芽香、寺田蘭世

作詞:秋元康 作曲: 丸山真由子 編曲:丸山真由子

 

乃木坂46 桜井玲香 評判記

 「乃木坂らしさ、という菖蒲色の群像を編み上げた立役者」 桜井玲香、平成6年生、 ...

乃木坂46 斎藤ちはる 評判記

「アイドルとしては平凡だが、アナウンサーとしてならば……」 斎藤ちはる、平成9年 ...

乃木坂46・5期生のセンター”てきせい”を考える

「ノギザカ・ノヴァ」 誰でもセンターポジションに立てるわけではない、センターは特 ...