SKE48 恋よりもDream 評判記

「チャンスは平等」
歌詞、楽曲について、
私小説的世界のなかにビルドゥングスロマンを置いた直截的な歌詞を書いている。この楽曲を演じた3人のアイドル、彼女たちのその後を考えれば、この歌詞が不吉な予感としてではなく、希望として胎動していたことがわかる。
松村香織、須田亜香里、谷真理佳。アイドルとしてのタイプこそ、三者三様、それぞれと異なるが、ストラテジーという観点では、同じカテゴリーに分類される。「王道」や「正統」という称号を生まれ持つアイドルたちを戦略的思考で凌駕してしまう存在。必要悪にすらなれない、汚れ物として揶揄される存在。同時に、現在のアイドルシーンに内在する可能性を提示した稀有な存在。まさしくブルー・オーシャン戦略の成功者である。映像作品、ボーカルにおいての表現力の稚拙さ、資質不足が、彼女たちの「経歴」に露程にも影響を及ぼさないという点も、現在(あるいは、楽曲が制作された当時)のアイドルシーンを投影している。ただ、楽曲そのものの魅力を問うならば、アイデアに乏しく、ファンに聴かせる水準に達していない。
総合評価 34点
人に聴かせる水準に達していない作品
(評価内訳)
楽曲 6点 歌詞 6点
ボーカル 3点 ライブ・映像 9点
情動感染 10点
引用:見出し 秋元康/恋よりもDream
作詞:秋元康 作曲:小内喜文 編曲:佐々木裕