日向坂46 耳に落ちる涙 評判記

「変な泣き方だ」
歌詞、楽曲について
平易ではなく安易。創造とは何かに気づくことだが、今作品は、目尻から耳に流れていく涙というシチュエーション=非日常の発見、このたった一つだけのアイディアを頼りに書かれた詩なのだろう。写実的描写は一切なく、安易な想像力によってひねり出された描写に溢れている。「青春は迷路だった」や「何かムカついて」、このような恥知らずな科白に気恥ずかしさを感じさせない企み、誠意は放棄されており、とにかく痛々しい。*1
楽曲については、『ハルジオンが咲く頃』を想起させるイントロダクションには爽快感があるが、中盤から終盤にかけて間延びしていて倦怠感を抱かされる。けやき坂46として物語を描いていた当時の空気感を再現する楽曲に映るが、その狙いが透けていて呆れる。前を向けていない。表題曲に対し通史を書くという視点、ひとつのジャケットを通して構成する、という美意識を欠いている。
総合評価 37点
人に聴かせる水準に達していない作品
(評価内訳)
楽曲 5点 歌詞 4点
ボーカル 12点 ライブ・映像 12点
情動感染 4点
歌唱メンバー:井口眞緒、潮紗理菜、柿崎芽実、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依
作詞: 秋元康 作曲:西井昌明 編曲:若田部誠
引用:「」*1 秋元康 / 耳に落ちる涙