日向坂46(けやき坂46) 河田陽菜 評判記

日向坂46(けやき坂46)

河田陽菜(C)ORICON NEWS

「諸行無常なり」

河田陽菜、平成13年生、日向坂46(けやき坂46)の第二期生。
アイドルを眺め、もらい泣き、もらい笑いする、という経験をもつファンは少なくない。そうした個人的体験を引き起こすアイドルとして河田陽菜は極北に立っていた。胸に高まった不安を涙に象ることで、いくつもの場面でファンの心を揺さぶってきた。この人の魅力は、情動のすべてが不作為でしかありえないという点にある。
そうした、自分の感情に不意打ちを喰らい闡明する彼女の横顔は、アイドルを応援する行為と、アイドルを”推す”ことのあいだに引かれた一本の線を、容易に飛び越えさせた。春秋に富んだ2期生のなかにあっても河田陽菜の存在感は別格であり、むしろ日向坂の枠に収まらず、たとえばその「涙」は乃木坂の西野七瀬を想起させるなど、事由を越えた、射程の長いラブリィなアイドルを描き出している。
それなのにセンターに立つどころか、ある日突然、耽美に憑かれてしまったらしく、生来の、人としてのうつくしさ、個性を自ら削いでしまった。かつて感得できたあらゆる甘美な体験が、唐突に打ち切られてしまった。美への過剰な意識は、外見の変化、だけでは済まされず、当然、内面にも変化をきたす。これだけの逸材であっても美の追究に陥ってしまえばその魅力を失うのか、驚き、落胆し、立ち尽くすしかない。

 

総合評価 61点

アイドルとして活力を与える人物

(評価内訳)

ビジュアル 11点 ライブ表現 12点

演劇表現 9点 バラエティ 15点

情動感染 14点

けやき坂46 活動期間 2017年~

2022/12/12  ビジュアル14→11  情動感染17→14