日向坂46(けやき坂46) 加藤史帆 評判記

日向坂46(けやき坂46)

加藤史帆(C)サンケイスポーツ

「日向坂の真のエース」

加藤史帆、平成10年生、日向坂46(けやき坂46)の第一期生であり、2代目センター。
物語性に溢れ出た、けやき坂46のサクセスストーリーのなかで、グループの一方の主流を担い、幾度もグループの岐路を打ち払ってきた、という意味では、この人こそエースと呼ぶべきかもしれない。
加藤史帆をセンターに配した『ハッピーオーラ』が、日常を演じる屈託の上に花を咲かせることこそ「アイドル」つまり「活力」にほかならないのだ、という、日向坂46のアイデンティティを歌った、あるいは完成させた『青春の馬』の下敷きにされているのは、最早、あらためて説明するまでもない。
音楽の中で、ステージの上でアイドルの成長の大部分を物語ることができるという、トップアイドルに備わるべき資質を見事に有した登場人物であり、未来ではなく過去を想うことの甘美さ、失うことではじめてその価値に気づき愛に浸る、あられもない人間の本音を歌った『君しか勝たん』においては、その「過去」の当事者であるために楽曲の主役にはなり得ない小坂菜緒に代わりセンターポジションに立つことで、主人公が過去の面影になりつつあることを予感させるグループのストーリー展開の、その一編の主役を演じることで、喪失感の上に蒼の花を咲かせる、という、日向坂46のアイデンティティを打ち出し、裏付けた。いよいよ、その存在感を確かなものとした。
センターに選ばれたことにたいし、めちゃくちゃ嬉しい、と答えられるアイドルは、きっと、彼女だけだろう。その破顔には、日向坂46というアイドルグループの境地がよくあらわれている。

 

総合評価 74点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

(評価内訳)

ビジュアル 14点 ライブ表現 14点

演劇表現 13点 バラエティ 17点

情動感染 16点

けやき坂46 活動期間 2016年~

2020/11/30 ライブ表現 11→13  情動感染 14→15
2022/06/20 ライブ表現 13→14  情動感染 15→16