AKB48 宇佐美友紀 評判記

AKB48

宇佐美友紀(C)スクランブルエッグ

「AKBにおける最初の卒業生」

宇佐美友紀、昭和59年生、AKB48の第一期生。
1期の最年長メンバー。20歳でデビューし、その5ヶ月に卒業。AKB48の歴史において最初の卒業生ということになる。しかしそうした数字だけの記録に価値を見いだすことは難しい。アイドルとしての実力も、言うまでもない。だが、アイドルの世界からの離脱を早々に決意した宇佐美の視点を借り、その最年長者としての立場を考えることは、当時のAKB48の、活き活きとした少女たちの群像への接近を可能にする。
前田敦子を筆頭に、未来への希望にあふれた少女たち。自分がなにものなのかわからず、夢を探しはじめた少女たちのその瑞々しさから自己が遠く隔てられていることの憂鬱もさることながら、未成熟に輝く少女たちに触発され、自分にはすでに確かな憧れ、たしかな「夢」があったことを再認識し、夢を叶えなければ、と焦燥感に駆られた宇佐美の横顔は、希望に充満した当時のAKBの様子をありありと映し出してくれる。
シーンに初めて「卒業」の二文字を刻み、自分が大切だと思うものを唐突に失うことの不安や、元AKBという肩書をもった人間が今後どのように芸能界を生きるのか、という予感をファンに植え付けたであろう点はもちろん、なによりも、平成が終わり、令和が始まった現在のアイドルシーン、「30歳アイドル」などという金字塔が打ち立てられた現在のアイドルシーンの上にもし宇佐美が降り立ったとして、それでもやはり彼女はアナウンサー、ナレーターへの夢を叶えるために早々に「アイドル」を打ち切るのだろうか、という点に尽きない興味がある。

 

総合評価 39点

アイドルの水準に達していない人物

(評価内訳)

ビジュアル 8点 ライブ表現 7点

演劇表現 6点 バラエティ 8点

情動感染 10点

AKB48 活動期間 2005年~2006年