AKB48 佐藤夏希 評判記

AKB48

佐藤夏希(C)ORICON NewS inc.

「嵐の夜には」

佐藤夏希、平成2年生、AKB48の第二期生。
平成が終わりを告げようとする現在のシーンにあって、これはなかなか想像し難いかもしれない。いわゆる端役、グループの物語において末端的登場人物に終始するしかないアイドルが、しかしプロデューサーであり作詞家でもある秋元康と直接対峙し、共に夢を語らい、アイドルの物語を作った時代がたしかにあった。そこでは少女の現実における青春の犠牲が当然のように求められ、また、少女たちもそれを当然のように受け入れ、「夢」を追い求め、そして「夢」にやぶれる……、そんな時代がたしかにあった。だからこそ、アイドルの描く幻想に、また日常にリアリティーがあった。佐藤夏希もそうした少女の一人である。

たとえば、同じ土壌にありながら異なる栄養素を与えられる暮らしへの孤独感。仲間であると同時にライバルでもある存在=宮澤佐江との交錯、”仲間はいつだってここにいる”という支え、絆がつくる絶望と稚気。そうしたグループアイドル特有の、順位闘争に敗れた人間特有の屈託が佐藤夏希というアイドルの物語の核だろうか。
また、このアイドルは、耽美への傾倒によってファンとの共闘関係を損ない、生来の多様性を蕾のままに萎れさせ枯らせてしまっている。今日のシーンでは見慣れた展開だが、当時ではなかなか珍しいストーリー展開であった。そのような意味では、佐藤をある種の凡庸さの先駆けとして扱うことができるかもしれない。凡庸であればあるほど、平凡であればあるほど、少女たちは耽美つまり美の追究に走ってしまうのだ。

 

総合評価 48点

辛うじてアイドルになっている人物

(評価内訳)

ビジュアル 7点 ライブ表現 12点

演劇表現 10点 バラエティ 12点

情動感染 7点

AKB48 活動期間 2006年~2012年

 

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