AKB48 波が伝えるもの 評価

AKB48

 

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植木南央(NaoUeki)さん(@70_naoueki)がシェアした投稿

「ザブーン ザブーンと」

感情の揺きを波の動きに重ねるという、やや安直(陳腐)な楽曲である。しかし、夢や希望を描き、活力を与える歌詞を書こうとする場合に、ある種の陳腐さから逃れることは、基本的には不可能であると、私は考える。比較的若手のアイドルたちに披露させ、誰よりも、歌を唄う彼女たち自身に活力を与えたい、そのために、平易なメッセージを書いたのだと、想う。その歌詞に、センスを感じさせたい。「ダサイよね」と想われたくない。という年長者のプライドのようなものが採用された語彙のなかに見え隠れしている点が、なによりも微笑ましい。波の描写が夢や希望のメタファーにならずに、直喩に映るのは、作詞家による自己投影の現れだろう。

夢や希望とは、それを口にしたり、行動で示すと、その次の瞬間から世界が呼応し、ぐるぐると動き出すものである。しかし、それが一度自分の身から放れてしまったら、あとは流れに身を任すことしかできない、というアイドルが生きるきわめて狭い世界のリアリティー(不条理)を意識的にか、あるいは無意識に描いている。
波の動きに感情が(見知らぬ誰かの想いが)詰まっているという表現(示唆)は、つまり、それだけ夢や希望がこの世界には無数にうずまいている、という残酷な事実への直面に導いてさえいる。
おそらく、波にのって漂っていた”夢”が、波うち際までたどり着いたとき、その夢の持ち主たちのほとんどは、もうその夢の存在自体を忘れているのだろう。そういった事象は積極的に伝えるべきかもしれない。夢のほとんどは時間の経過によって果たされるのに、夢の持ち主がそれをすでに諦めてしまっているケースが圧倒的に多いということを。

映像作品については、アイドルの”アップ”が多用されている点に不用意さを感じてしまう。俯瞰的な視点が不足しているのは構成を練る段階でアイデアの提出が叶わなかった証明だろう。とりあえずアイドルを映しておけばファンは無条件で喜ぶだろうという「勘違い」や「驕り」の存在を看過することはできない、減点。

 

総合評価 60点

再聴に値する作品

(評価内訳)

楽曲 16点 歌詞 14点

ボーカル 11点 ライブ・映像 6点

情動感染 13点

引用:見出し AKB48 波が伝えるもの

歌唱メンバー:植木南央、本田仁美、豊永阿紀、運上弘菜、下野由貴、加藤夕夏、坂本愛玲菜、大森美優、谷真理佳、村瀬紗英、山田野絵、山内瑞葵、水野愛理、篠崎彩奈、山田菜々美、栗原紗英、馬 嘉伶、上西 怜、石田千穂、大家志津香

作詞 : 秋元 康 作曲・編曲 : 木下めろん

評価点数の見方