AKB48 畑山亜梨紗 評判記

AKB48

畑山亜梨紗 (C) AKS

「フリージアの花言葉」

畑山亜梨紗、平成3年生、AKB48の第五期生。
16歳でアイドルの扉をひらき、18歳を目前にしてその架空の世界から現実世界へとはじき出される。
アイドルとして過ごす日常のかがやきをファンの眼前で仔細に語る行為、そのほとんどを放棄した登場人物であり、夢に向かってもがく姿が美しい、と安易に発言する同業者連中を拒絶するような、そんな立ち居振る舞いを描いている。アイドルとは演技するものだ、という当たり前の声に対しどこか疑問を感じているような、そんな素振りがこのひとにはある。だがそうした少女の反動を前にして、それをそのまま純真無垢と捉え、このアイドルは素顔を提示している、と称賛するのは、やはり安易だろう。
畑山亜梨紗というアイドルにおもしろい点があるとすれば、それはたとえば、なにか重要な物事の決断を下した人間が見せる表情、ある種の諦めを映すような瞳を、自己の可能性を探り夢を叶える、という「アイドル」として暮らす時間のなかで大胆にも披露してしまう倒錯にある、と云えるだろうか。

石田晴香、内田眞由美、大家志津香等が合格したセレクション審査で畑山は落第の憂目に遭う。同期では、有馬優茄、冨田麻友がおなじくセレクション落ちしている。当時、セレクション審査の合否報告は、まるで「お受験」の合格発表を待つ母親のような心境をファンに抱かせ、そこに居ることが当たり前になったアイドルから唐突に別れを告げられるという、一種の喪失の物語を作っている。グループのこの時期、多くの少女たちが、再会の約束を果たさないまま、幻想の世界から消滅していった。
グループアイドルの儚さとは、この「彼女」たちの後姿、この「彼女」たちが置き去りにした夢の残骸の上でのこされたアイドルたちが踊る際に立ち現れるうつくしさの一種と呼んでしまったら、それはあまりにも都合の良い解釈、不条理と映るだろうか。

 

総合評価 41点

辛うじてアイドルになっている人物

(評価内訳)

ビジュアル 12点 ライブ表現 6点

演劇表現 9点 バラエティ 7点

情動感染 7点

AKB48 活動期間 2007年~2009年

 

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