吉本坂46 遠藤章造 評価

吉本坂46

 

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「アイドルジャック」

遠藤章造は吉本坂46の第一期生である。
高校球児だった少年は上京後、お笑い芸人として大成し、大晦日に日本中へ笑いを届ける存在にまで到達する。その酸いも甘いも噛み分ける人物が、”職業”としてアイドルを名乗ることになったのは数奇と云えるだろうか。あるいは、文芸の世界に身を置く者ならば、”当たり前の奇跡”として処理される事象なのだろうか。

吉本坂46はグループアイドルに付随する概念のみならず、現代アイドルシーンそのものの概念を破綻させる存在として危惧されているが、アイドルファンが意識的に、あるいは無意識に彼ら彼女を看過することによって、その破壊力が不成立に終わるだろうという予兆がすでに、ある。遠藤章造という人物を、そのキャラクターを説明できる日本人は多いはずだ。しかし、それは同時に、概念ではなく、ジョブとしてアイドルを”名乗った”彼の成長をファンが共有する機会、発見をする余地がほとんど残されてはいないことを意味する。これからアイドルとして過ごす時間と、これまで彼が築いた人生の(時間の)長さ、その距離の違いからうまれる倒錯を、アイドルファンは受け入れることはできないだろう。受け入れるつもりも、ないだろう。遠藤章造を応援するファンが「アイドル・遠藤章造」というコンテンツを愉しむことはあっても…。しかし、年配者が身体中に湿布を貼りながら、日常で見せることのない種類の汗を流しながら、舞台の上で懸命に踊る光景というのは、職業としてではなく、概念としての”アイドル”を復活させるかもしれない。つまり、遠藤章造というアイドルの誕生(吉本坂46の誕生)は、現代アイドルシーンの”ジャック”ではなく、アイドル史の修正であり、それを回帰的現象と呼ぶことができるかもしれない。

彼らの存在を認めることによって、既存のアイドルたちをあたらしい視点で眺めることが可能になる…。もちろん、否定、拒絶の必要性も忘却してはならない。アイドルファンには、ある種の柔軟さ、思考の組み換えというバランス感覚が求められているのだ。

 

 総合評価 51点

問題なくアイドルと呼べる人物

(評価内訳)

ビジュアル 16点 ライブ表現 3点

演劇表現 6点 バラエティ 16点

情動感染 10点

吉本坂46 活動期間 2018年~

評価点数の見方