乃木坂46 せっかちなかたつむり 評判記

「せっかちなかたつむり」
楽曲、ライブ表現、ボーカルについて、
オリジナルメンバーによる歌唱披露だけでなく、後続のアイドルによるステージ作りもバリエーションに富んでいる。どのように構成しても、ファンをまったく飽きさせない、多様性ある楽曲。アイドルの個性を発見するための、上質な虚構が準備され、それがしっかりと機能している、ということなのだろう。多様性ある楽曲だが、他の多くの楽曲とは趣を異にする音楽を作っており、かつそれがうまく壺にはまっている。
ミュージックビデオについて、
2012年に発表された『走れ!Bicycle』収録曲だが、ミュージック・ビデオ集『ALL MV COLLECTION〜あの時の彼女たち〜』の発売に際し行われた、映像化してほしい楽曲のリクエスト投票によって2位を獲得し、2015年に制作された。当然、凝っている。メンバー構成も『走れ!Bicycle』制作当時の彼女たち自身の横顔と比較すれば、そのどれもがより贅沢に感じる。とくに西野七瀬が、うつくしく、可憐に映されている。向かうところ敵なし、といった様子。だが、『せっかちなかたつむり』がなぜファンに愛されるのか、という視点からうかがうと、ミュージックビデオはその声量をひとつも引き受けておらず、やや不満が残る。
総合評価 67点
再聴に値する作品
(評価内訳)
楽曲 14点 歌詞 10点
ボーカル 16点 ライブ・映像 14点
情動感染 13点
歌唱メンバー:白石麻衣、高山一実、中田花奈、西野七瀬、橋本奈々未、深川麻衣、松村沙友理
作詞:秋元康 作曲:山本加津彦 編曲:湯浅篤