乃木坂46 狼に口笛を 評判記

「過去を忘れて今を生きるんだ」
歌詞、楽曲、ミュージックビデオについて、
セカンドシングル『おいでシャンプー』のカップリング楽曲。センターポジションで踊るのは伊藤万理華。
2種のミュージックビデオが制作され、とくにダンスシーンが話題になった。
アンダーメンバーによって構成された楽曲ながらも、しかしそこに名を連ねるメンバーの豪華さ、豊穣さをして、グループブレイク後、今作品にはじめて触れるファンを驚かせつづけている。のちに表題曲のセンターにまでのぼりつめる齋藤飛鳥、深川麻衣はもちろん、伊藤万理華、衛藤美彩など、実力者の集合には、やはり胸躍るものがある。だが、今楽曲のテーマ、作詞家が詩情に込めた想いとつよく響き合うのは若月佑美だろう。
「過去」という辺境から脱却した、擦りむいたまま前に向き直りほんとうの夢をつかもうと走り出した少女が、結局、過去の自分に足を掴まれてしまった。グループの主要登場人物として描かれつつあった若月佑美がはやくも挫折を描いてしまった。その一連の光景を作り出す情報の囲繞化に向けた作詞家・秋元康の皮肉が、しかしアイドルのプロデューサーでもある自身への自己批判と釈明につながって行く点はなかなかおもしろい。
総合評価 61点
再聴に値する作品
(評価内訳)
楽曲 13点 歌詞 12点
ボーカル 10点 ライブ・映像 13点
情動感染 13点
歌唱メンバー:安藤美雲、伊藤万理華、伊藤寧々、衛藤美彩、柏幸奈、川後陽菜、川村真洋、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、永島聖羅、中元日芽香、能條愛未、樋口日奈、深川麻衣、大和里菜、若月佑美、和田まあや
作詞:秋元康 作曲:Akira Sunset 編曲:シライシ紗トリ
引用:見出し、秋元康/狼に口笛を