乃木坂46 新しい世界 評価

乃木坂46 『新しい世界』(C) 乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL

「本当の自分を僕は認める」

歌詞、楽曲について、

意欲作である。歌詞に対するクリティークを映像作品が担い、メタファーが作られる。その暗示と問いかけをセンターポジションに立つアイドルが叙述する。考察が生まれる。そのようなテーブルゲームを妥協することなく真摯な希求であると受け止め、観者に提供し続けるという作りてのモチベーションは称賛に値するだろう。
「新しい世界」は安易にジェンダーをテーマにした楽曲ではない、ということなど、ファンであればすぐに気付くだろう。勘付かせる、という誘導に成功している時点で作詞家の企みが成功している、と云えるが、この「新しい世界」の歌詞に孕むメタファーによって提示されたものとは、鈴木絢音に対する「期待感」をアイドル本人に自覚させ、胎動に終焉を迎える覚悟の要求、つまり「生まれ変わり」への要求であろう。

花世は言った。「昔はこんなこと考えつきもしなかったのに。」
「昔って、どれくらい昔?」
「意地悪ねぇ。」花世が髪を引っぱる。「男とやってた頃、ということにしておくわ。」
「容子は?」花世が訊いた。
「何もなかった。」私は即答した。「十八歳まで、私には何もなかった。興味を持ったこともね。」
「つまらない人生ねえ。」花世はからかった。
「自分には何かが欠けてるんじゃないかと気にしなかった?」
「全然。」
ベッドを下りた花世は私に体を寄せた。私たちは戯れを再開する。なぜ飽きないのだろうか。一年半近く体を絡め合っているのに、未だに指一本の感触も鮮烈である。花世と接吻を交わすたびに生まれ変わってでもいるかのようだった。

松浦理英子「ナチュラル・ウーマン」

 

総合評価 69点

再聴に値する作品

(評価内訳)

楽曲 14点 歌詞 15点

ボーカル 14点 ライブ・映像 12点

情動感染 14点

歌唱メンバー:伊藤かりん、伊藤純奈、伊藤理々杏、岩本蓮加、梅澤美波、川後陽菜、斎藤ちはる、斉藤優里、阪口珠美、相楽伊織、佐々木琴子、佐藤楓、鈴木絢音、中田花奈、中村麗乃、能條愛未、向井葉月、山崎伶奈、吉田綾乃クリスティー、渡辺みり愛、和田まあや

作詞:秋元康  作曲:古川貴浩  編曲:古川貴浩

評価点数の見方