SKE48 誰かの耳 評価

SKE48, 楽曲

(C)誰かの耳ミュージックビデオ/ske48

「王様の耳はロバの耳だ」

楽曲について、

まさに本領発揮、胎動が結実した瞬間である。SKE48のイデオロギー、存在理由ともよべる、ダンス表現への独りよがりな探究心が、グループの誕生10年目にして”はじめて”耽美と止揚することに成功した。この快挙は、乃木坂46の「制服のマネキン」を抜き去り遥か後方に置き去りにした欅坂46の「サイレントマジョリティー」に匹敵する。「誰かの耳」の存在は今後、坂道シリーズの脅威となり、アイドル史に刻印され、消えることはないだろう。この作品をもってシーンのトレンドへ迎合する「傑作」への到達が叶ったと評価する。SKE48にとって、ファンにとって、ひとつの新しい世界が眼前に開いた、と云える。

ミュージックビデオについて

ランダムに、どの場面を選択しても、日常の郷愁=高揚と同時に圧倒的な没入感におそわれる。緑の葉先にしたたる水滴の移動、疾走感と泥濘が交互に繰り返され、廃墟と雑踏を優雅に漂いながら発せられる歌声に耳を引き寄せられる。アイソレーションひとつで、それぞれのアイドルが日常を自壊せずに「個の彩り」を提供できるのは、このチームメンバーだけだろう。

歌詞について、

童話、寓話をアイドルポップスにひとつの仮構として導入している。鬱蒼とした明喩に童話を置きながらも、きわめて距離感の短い、情報に囲繞される現代アイドルの反動性がテーマであり、現代アイドルシーンの映し鏡として文学的な価値を孕む。文学である以上、その歌詞は、アイドルのこれからの、これまでの生き方を先回りして迎え撃つことになるだろう。それはつまり、アイドルに抜き差しならない覚悟と緊張感を要求している、ということだ。

 

総合評価 90点

アイドル史に銘記されるべき作品

(評価内訳)

楽曲 18点 歌詞 17点

ボーカル 19点 ライブ・映像 18点

情動感染 18点

 

歌唱メンバー:青木詩織、荒井優希、内山命江籠裕奈、大芝りんか、太田彩夏、大場美奈小畑優奈、片岡成美、北野瑠華、白井琴望、惣田紗莉渚、高木由麻奈、高柳明音、竹内彩姫、日高優月、古畑奈和松村香織、水野愛理、矢作有紀奈(Team KII)

作詞: 秋元康  作曲:BASEMINT  編曲:BASEMINT

評価点数の見方