日向坂46(けやき坂46) 潮紗理菜 評判記

日向坂46(けやき坂46)

潮紗理菜(C)音楽ナタリー

「いにしえをしのぶ」

潮紗理菜、平成9年生、日向坂46(けやき坂46)の第一期生。
河田陽菜とならび、今日の若者、とくに女性の風姿、その内奥を濃やかに描出する魅了的なアイドル。
日常を演じる日々のなかで喪失するもの、そこに向ける問いかけ、名残を打ち出す河田に対し、潮の場合、この現代でアイドルを演じることになった少女が否応なく遭遇する、情報の囲繞に対する戸惑い、屈託を大胆にさらけ出すことで、アイドルになる前の自分=いにしえをしのぶ、というドキュメントをもつ。
アイドルの扉さえひらかなければ人生で経験することがなかったはずの誹謗と中傷、顔の見えない他者から容赦なく投げつけられる口撃によって、若者の誰もがこころの内に怯え持つものが否応なく明るみにされるという、普段目に見えないものがアイドルを通すことで見えてしまう、アイドルを代償にして一般生活者の日常の機微が映し出されてしまう、アイドルが若者の映し鏡であることを証すその物語を、痛手を負い
沈黙に陥ったその苦悩の様子を、潮紗理菜はあくまでも甘美に、しかし明徴に、果敢に訴えかけており、微笑とも憂い顔とも捉えられる彼女のその横顔を眺めると、つよく希求される。

 

総合評価 62点

アイドルとして活力を与える人物

(評価内訳)

ビジュアル 11点 ライブ表現 14点

演劇表現 11点 バラエティ 13点

情動感染 13点

けやき坂46 活動期間 2016年~