AKB48 小嶋真子 評判記

AKB48

小嶋真子(C)日刊スポーツ

「正統的な笑顔の持ち主」

小嶋真子、平成9年生、AKB48の第十四期生であり、「三銃士」の一人。
黄金期にあったAKB48の可能性のすべてを引き受けたメンバーだという意味では、前田敦子、大島優子、渡辺麻友、島崎遥香以降もっとも重要な位置を占めたアイドルだと呼べるだろう。
アイドルとしては、たとえば雲井浪子など、近代を代表するアイドルに相渉る、古典的、正統的な笑顔の持ち主である。ただ哄笑するだけの、平坦な笑顔しか描き出せない多くのアイドルと異なり、小嶋は、怒りであろうが、興奮であろうが、徒労であろうが、哀しみであろうが、笑顔の中にすべて結構させる。ゆえにその「笑顔」は、ファンの日常の体験、アイドルと同じ感情を抱いた日常の場面を、個々に引き出す力を持っている。
ペーソスな歌声、直感に優れたダンスなど、ステージ上の存在感においてもその見解を裏切らない、今日なお新しく、永遠に新しい、ふへんの魅力を放つメンバーであるが、スケールが大きすぎたのだろうか、グループのセンターに立つことなく卒業を迎えている。次代を担いきる、たしかな才能を秘めた少女がセンターに選ばれないという事態をして、AKB48の頂点を画すと同時に、その衰退を指し示していると云えるかもしれない。「グループアイドル」でありながら少女たちが系譜にかたどられることなく、アイドル個々の魅力つまり個性にのみ支えられている、「世代」という言葉の意味、価値が消えてなくなった瞬間だと、言い換えても良い。

 

総合評価 80点

現代のアイドルを象徴する人物

(評価内訳)

ビジュアル 17点 ライブ表現 17点

演劇表現 14点 バラエティ 16点

情動感染 16点

AKB48 活動期間 2012年~2019年