AKB48 川栄李奈 評判記

AKB48

川栄李奈(C)オリコン・ニュース

「サンクチュアリ・アイドル」

川栄李奈、平成7年生、AKB48の第十一期生。
その俳優としてのキャリアは、AKBグループの卒業生の中でもっとも成功した部類に入るのではないか。渡辺麻友への憧れに出発したアイドルの一人だが、テレビの人気バラエティ番組への出演を契機に、感情の起伏を描く喜劇的キャラクターを確立したことで役者としての可能性を広げたようである。コントにおける威風あたりを払うような演技が内外から高く、好評を得たことで、たしかな手応えを覚えたようである。
「握手会傷害事件」以降――人気、実力のいずれも「選抜」の水準に達しないが、事件の被害者であるという一点において、作り手に贔屓された、またメディアにも忖度された、「選抜」を約束された”聖域”のメンバーだと、一部のファンから批判された。その意味では、アイドルファンの卑劣な部分、幼稚でしかない感情を、ほかのだれよりも目の当たりにし、苦しめられたアイドルだと云えるかもしれない。しかしこの人が示したほんとうの「聖域」は、そうしたディスターバンスにあるのではない。川栄李奈が立っていた聖域とは、たとえば横山由依とのスラップスティックな交流が顕著だが、他のメンバーとの理想に燃えた交流を通してほんとうの自分を知る、自身の才能・資質を理解する空間、夢という、本来は孤独であるはずのものに他者が必然的に入り交じる場所、つまりAKB48のことであり、グループアイドルがそうした美しい場景を持ち得るということを、教えた点に、川栄李奈の魅力がある。

 

総合評価 72点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

(評価内訳)

ビジュアル 15点 ライブ表現 11点

演劇表現 16点 バラエティ 16点

情動感染 14点

AKB48 活動期間 2010年~2015年