AKB48 本田仁美 評判記

「凱旋を果たすも、禿筆をふるう」
本田仁美、平成13年生、AKB48のTeam8のメンバーであり、17代目センター。
PRODUCE48への参加を機に大きなブレイクを果たした。けれどPRODUCE48以前、以後のどちらも、日本のアイドルシーンではまったくと言っていいほど話題になっていない。IZ*ONEでの活動を終え、凱旋ムード漂うなかAKB48のセンターに立ったが、箸にも棒にもかからなかった。その点に鑑みれば、むしろTeam8で活動していた頃の、地方テレビでレポーターを務めていた時期のほうがまだアイドルとしては魅力があったと言えるかもしれない。柔和な笑顔とは裏腹に一本筋の通った、真に職業アイドルへと成長を遂げたが、アイドル論的な作法、音楽フォームの志向などへの問題意識はさほど持っていない。用いる言葉、文章のいずれも淡泊で、「アイドル」を演じるという意識の照り返しから発せられたものばかりで精彩に欠ける。それらの弱点が歌や踊りなど、パフォーマンスの質にありのままに現れ、アイドルの退歩を決定的にしているかに見える。
歌や踊りへの直截な評価ではなく、韓国語を習得しようと健気にふるまう様子が韓国人の心を打ちブレイクにつながったことは、いかにも日本的なアイドルのあり様を見せつけている。その本田が日本ではなかなかうだつが上がらないのだから、皮肉と云えば皮肉である。韓国での成功後、日本に帰国するも手応えに乏しくふたたび韓国へと、とんぼがえりしたその姿は、日本では通用しなかったアイドルだとする印象を、どうしても拭わない。
総合評価 44点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 12点 ライブ表現 12点
演劇表現 8点 バラエティ 7点
情動感染 5点
AKB48 活動期間 2014年~2024年