AKB48 福留光帆 評判記

「過去のAKBにあって今のAKBにないもの」
福留光帆、平成15年生、AKB48のTeam8のメンバー。
卒業後、佐久間宣行に才能を見いだされ一躍スターダムにのし上がった。青春時代に経験した日常生活の屈託をテンションの抑制に役立て糖衣を剥いだ言葉を繰り出す姿が、業界人の心をくすぐるようである。小首をかしげ微笑む際の可憐さを目の当たりにすると、アイドル的な素養の高さをうかがい知りもする。AKBのメンバーとしては、ほとんど実績を持たないため評価に値しないが、アイドルシーンに絶えて久しくなった「人物の再評価」という視点を復活させたという点においては、卒業後の躍進以上に貢献をもたらしていると言えるだろう。
なぜAKBの作り手は福留光帆の資質を見抜くことができなかったのか、あるいは、”普通の人”ではないと知りながらそれを活かそうとしなかったのか、彼女が芸能界で飛翔すればするほど、AKB時代の福留光帆の記録を眺めつつ嘆息し、考え込むファンを、これからシーンに多く目撃することになるだろう。
アイドルになることで人生が一変する、のではなく、アイドルを卒業したことで人生が一変する。またその快心の姿を、人生の逆転の瞬間をまざまざとファンに提示してもいる。過去のAKBがもっていて現在のAKBがもっていないものを、アイドルで大成しなかった少女が提示している点が、なによりも目ざましい。
総合評価 46点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 13点 ライブ表現 7点
演劇表現 7点 バラエティ 10点
情動感染 9点
AKB48 活動期間 2019年~2022年