NMB48 欲望者 評判記

「欲望」
楽曲、ミュージックビデオ、ライブ表現について、
18枚目シングル。センターには山本彩が立つ。
一言で云えば、シーンのトレンドに迎合した作品。音楽的魅力をもってCDを”売ろう”とする気概のようなもの、がある。ただあまり上手くいっていない。ミュージックビデオ、ジャケット写真、メロディ、と、この楽曲に触れた際には、まず、今日のアイドルファンであれば誰もが「欅坂46」をイメージするはずだが、シーンの主流ともなったその欅坂46のパフォーマンスと比較すれば、アイドルのパフォーマンスにまったく緊張感がない。とにかく弛緩した踊りを作っている。ダンスに、ではなく、アイドルの意志に、統一感がまるでなく、ひどく倦怠している。あるいはこれは、タイトルにある「欲望」を、一つの解釈として表現したものなのだろうか。そうだとすればあまりにも安易に映る。
歌詞について、
メモ帳を開き、タイトルに関係する語彙を、センテンスをかき集めただけ。詩情が間延びしている。他のシーンでの勝利に酔っているのだろうか。自己模倣を試みる際に求められる「構図の練り上げ」が一切なく、きわめて退屈。緊張感を欠如した人間が「欲望」について一体どれだけ差し迫った詩を書けるのか、疑問。
総合評価 50点
聴く価値のある作品
(評価内訳)
楽曲 13点 歌詞 9点
ボーカル 13点 ライブ・映像 7点
情動感染 8点
歌唱メンバー:市川美織、岩田桃夏、植村梓、梅山恋和、太田夢莉、加藤夕夏、渋谷凪咲、城恵理子、上西怜、白間美瑠、谷川愛梨、村瀬紗英、矢倉楓子、山本彩加、山本彩、吉田朱里
作詞 :秋元康 作曲 :Sugaya Bros.、Miss-art 編曲 :Sugaya Bros.