SKE48 FRUSTRATION 評価

SKE48, 楽曲

(C) FRUSTRATION ジャケット写真/SKE48

「FRUSTRATION」

楽曲、ミュージックビデオについて、

SKE48の25枚目シングル。古畑奈和が「センター」に初めて立つ。
小畑優奈卒業後はじめてのシングルということで、次世代の主人公が去った今、グループがどのように立ち居振る舞うのか、注目のナンバーとなった。今作はひと目見てわかるとおり、ダンスに重点を置いている。
これをみるに、ダンスの「揺れ」そのものが順位闘争であり、ダンスが一定の水準に到達しなければいかなる理由をもってしても「選抜」には入れない、という決意が伝わってくる。踊ることに並みなみならぬこだわりを持ってきたグループのアイデンティティを、ここで一度明確化した、原点に回帰した、と窺うべきなのだろうか。当然、こうした姿勢は、
アイドルの現在を鮮明に映し出し、実力を浮き彫りにするわけである。踊れないアイドルは楽曲の足を引っ張る存在でしかなく必要とされない、グループに居場所を作れない、といったストイックな物語がじわじわと出てくる。雨垂れ石を穿つ、という言葉があるが、このグループで輝くためには気の遠くなるような作業の繰り返しを通過する必要があるのだろう。ぽっと出の”逸材”に簡単にポジションを譲ることを納得してしまえるアイドルなどここには一人も居ないのだ、と。
ただ、そうした姿勢が一体だれに望まれているのか、という疑問もある。伝統を護る、というのは大事だけれど、その伝統を護るにはグループが売れなければならない。しかしグループを売るための若手をどんどん手放している現在の状況をみるに、SKE48はきわめて自虐的なアイドルグループに見えてしまう。これは作家にも通じる話題だが、文章を書いたらそれが読まれなければどうしようもない。アイドルも売れなければどうしようもないはずだ。誰にも評価されなくて良い、分かる人だけわかれば良い、というのはあくまでも学者あるいは芸術家だけに許される姿勢なのだ。アイドルはアーティスティックとエンターテインメントの両極の中心線の上で踊り続ける存在だから、アーティスティックに傾いてしまうと、これはやや困ったことになる。そうした姿勢を貫くにはやはり一人の強大な天才が求められるのだろうけれど、現在のSKE48にはそのようなアイドルはどこにも存在しないようにおもう。

 

総合評価 55点

聴く価値がある作品

(評価内訳)

楽曲 12点 歌詞 11点

ボーカル 12点 ライブ・映像 15点

情動感染 5点

歌唱メンバー:浅井裕華、荒井優希、井上瑠夏、江籠裕奈、大場美奈、鎌田菜月、熊崎晴香、佐藤佳穂、末永桜花、須田亜香里、惣田紗莉渚、高柳明音、竹内彩姫、野島樺乃、日高優月、古畑奈和、松井珠理奈、松本慈子

作詞: 秋元康、B-BANDJ 作曲:横健介 編曲:ICHI

 

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