NGT48 佐藤海里 評判記
「エインシェント・アイドル」
佐藤海里、平成12年生、NGT48のドラフト3期生。
眺める者をして、無条件で好印象を抱いてしまう笑顔を、デビューから一度もぶれることなく披露している。
笑顔でアイドルを演じる姿勢が言葉どおりポジティブを提示するという意味では、古風なアイドルと呼べる。そうした「笑顔」を陳腐に感じないのは、『絶望の後で』において「絶望」をアイデンティティにしたグループのその状況に対し逆巻いているように見えるからだろう。凡庸を凌ぐだけのなにかがたしかにある。
『あのさ、いや別に…』に前後して耽美に陥ってしまったきらいはあるものの、きっぱりとした、日常の率直さを映すビジュアルの個性は健在だ。ダンスもスタイリッシュで、ステージ上にキラキラとした光を落とす。演技もできる。表情にやや大げさなところがあるが、なにを伝えようとしているのか、容易に見て取れるだけの感情の豊かさがある。総じて、アイドルのイメージが掴みやすい人、ということになるだろうか。
「言葉」を駆使することの熱量が「落語」への挑戦につながったりと、アイドルとしての行動力が、現実を動かす、夢(可能性)の幅を押し広げるという点にこの人がもたらすイメージの最高の価値があるかに思われる。
その「価値」がアイドルというものの本当の価値、王道の意味を教えている点もまた、アイドルを職業化することの極北に立ったNGT48のイロに対し逆巻いているように見える。
総合評価 58点
問題なくアイドルと呼べる人物
（評価内訳）
ビジュアル 12点 ライブ表現 12点
演劇表現 12点 バラエティ 12点
情動感染 10点
NGT48 活動期間 2018年～
