愛読書 10選 & 最近のプレイリスト(アイドルソング) :最新版

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「季節の記憶となった作品」

最近、読者からの支援を募うシステムをサイトに導入した。実験的な、先の見えない試みだけれど、予想に反して、続々と支援が集まっている。さらに驚いたのは、サポートに添えられたメッセージを読んでいると、過去に記事への感想・質問を通して交流したことのある読者がその中にいて、何年かぶりの再会を果たしたことだ。
少し前に、秋元康の手がけた楽曲の総数をかぞえてみるという、ほとんど思いつきの、好奇心に憑かれた記事を書いたことがある。記事中、「アイドルの値打ち」において高得点を付けた歌詞のタイトルを改めてリストアップしたのだが、その読者はそのリストをそのままプレイリストに替えて、音楽を聴くきっかけにしてくれているのだという。なるほど、そうした見方もあるのかと、驚き喜びつつ、それならばと、ここでまた、愛読書に加え、今現在、私が日常的に観賞している、アイドルのミュージックビデオのプレイリストを書き連ねてみようと思う。

私は、アイドルへの文章を書く際には、日常の気分から離れ、思考を「アイドルの値打ち」へとチューニングすることをまず心がける。そのチューニングの手助けをしてくれるのが、もっぱらアイドルのミュージックビデオということになる。ミュージックビデオを再生し、音楽を歌い踊り作るアイドルを眺めれば、アイドルを語る際に用いてきた言葉の感覚、文章のリズム、文体の作り方を思い出すことができる。もちろん新作が出れば、自然、新作を中心にしたプレイリストになることは避けられないが、しかしそれでも埋もれずにリストに残りつづける作品が、たしかにある。そうした作品が、つまり私の、個人的な”好き”になるのだろう。
しかし個人的に好きなものを、文章をもって説明することは大変にむずかしい。批評を書くと、と言うか、文章を書いてしまえば、それは自分の手から離れて、読み手の解釈にゆだねる、作品になってしまうからだ。だから自分以外のだれかに自分の好きなものを伝えたいと企図するなら、作品のタイトルだけにとどめておくべきだろうと、最近つくづく思っているので、ここでは作品へのコメントは控えて、タイトルだけを淡々と記すことにする。

小説

エミール・ゾラ / 居酒屋
大江健三郎 / 宙返り
ガルシア・マルケス / 百年の孤独
スタンダール / 赤と黒
チャールズ・ディケンズ /デイヴィッド・コパフィールド
辻仁成 / 白仏
保坂和志 / 季節の記憶

町田康 / 告白
宮本輝 / 幻の光

村上春樹 / 海辺のカフカ

・批評、評伝

江藤淳 / 成熟と喪失
ガストン・バシュラール / 火の精神分析
柄谷行人 / トランスクリティーク
椹木野衣 / 日本・現代・美術
ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ / アンチ・オイディプス
ジャン・カナヴァジオ / セルバンテス
福田和也 / 奇妙な廃墟
ベルナール・デュシャトレ / ロマン・ロラン伝
ミシェル・フーコー / 言葉と物
ロール・ミュラ / ブランシュ先生の精神病院

・アイドルソング

NGT48 / 今日は負けでもいい
欅坂46 / W-KEYAKIZAKAの詩
櫻坂46 / I want tomorrow to come

櫻坂46 / 静寂の暴力
乃木坂46 / おひとりさま天国
乃木坂46 / 心にもないこと

乃木坂46 / 夜明けまで強がらなくてもいい
日向坂46 / 君はハニーデュー
日向坂46 / シーラカンス

僕が見たかった青空 / あの日 僕たちは泣いていた


2024/09/13  楠木かなえ
2025/3/07 リストを更新しました