AKB48 相笠萌 評判記

AKB48

相笠萌(C)音楽ナタリー

「ウィットに富んだアイドル」 

相笠萌、平成10年生、AKB48の第十三期生。
踊りには定評がある。ステージの上で音楽に打ち解けるその繊細なダンスは、恍惚感に浸りすぎているきらいはあるものの、たしかに鑑賞に堪え得るものである。その恍惚感を支えているのが、ファン交流におけるストレス、とりわけ、取るに足らない、くだらない幼稚な言葉をアイドルに投げかけるファンに対して、当たり前の事実を当たり前に突きつける一貫した姿勢によって毒舌キャラなるものを確立したことでアイドルそのものが破綻してしまったことの屈託であるという点が、相笠萌の個性ということになるだろうか。
ファンの無邪気な言動を鋭く斬る、ウィットに富んだ毒舌キャラを作ってはいるが、生来的に小心者であることは、多くのファンが知るところである。けれど、”会いに行けるアイドル”というAKBの揺るぎない世界観、アイドルとファンの揺るぎない距離感のなかにあっては、小心者でさえも、心に湧いた感情を、つまり「言葉」を我慢することは、生半可な覚悟では、叶わぬようである。ファンを挑発し続けるという、アイドルとしてはもはや破滅した情況にあって、ステージの上でだけは、音楽のなかでだけは夢に見たアイドルでいられるのだと佇む相笠の恍惚感は、特異なものであるように思えて、その実、多くのアイドルにとって身近なものではないか。

 

総合評価 57点

問題なくアイドルと呼べる人物

(評価内訳)

ビジュアル 10点 ライブ表現 13点

演劇表現 7点 バラエティ 14点

情動感染 13点

AKB48 活動期間 2011年~2017年