乃木坂46 空気感 評価

乃木坂46, 楽曲

松村沙友理、橋本奈々未、白石麻衣(C)乃木坂46LLC/ORICON NEWS

「不思議だね」

わたしはあらゆる強烈な瞬間、あらゆる楽しげな瞬間、生のあらゆる瞬間に参加したいと願ってやまなかった。泣いたり笑ったりする女になりたかった。みんなの眼の前で色っぽく接吻される女に、胸に花をもらう女に、男の手を借りてバスに乗る女に、窓から身をのり出す女に、結婚する女に、子供を産む女になりたかった。

(アナイス・ニン「アナイス・ニンの日記」)

歌詞、楽曲について、

この楽曲のテーマは、アナイス・ニンの日記のように、日常に溢れでる女性の空虚な孤独だろう。純粋無垢な”僕”の独りよがりな目線、描写から浮かび上がる「彼女」の輪郭を想像してみると、おもしろい。都会のワンルームマンションで暮らすようなデオドラントな日常と、”僕”=現代日本人の未成熟さを巧く表現できている。「苦いクレンジングジュースを飲んでたり(*1)」「急にアリアナグランデばかり爆音で聴いたり(*2)」する彼女のメタフォリカルな行動を洞察するのではなく、「理解できない行動も新鮮で飽きない(*3)」と云う。それが、想像力の欠如に映らないのは、”空気感”という言葉がもつ魔法のような感覚によって詩的責任から逃れることに成功しているからである。”僕”は一般論的な破壊力のある視点で彼女をどんどん好きになっていく。そこに、彼女の現実的な希望が入り込む余地はない。しかも、それを女性アイドルに歌わせるのだから、これはもうひとつの文学である。

ボーカルについて、

豪華な歌唱メンバーである。個性も毀されていない。アイドルの日常を切り取ることに成功しており、ひとつの成功モデルと呼べる水準に達しているのではないか。

 

総合評価 80点

現代アイドル史に名を残す作品

(評価内訳)

楽曲 17点 歌詞 18点

ボーカル 17点 ライブ・映像 13点

情動感染 15点

引用:(*1)(*2)(*3)乃木坂46 空気感

歌唱メンバー:衛藤美彩、白石麻衣、高山一実、橋本奈々未、松村沙友理

作詞 秋元康  作曲 DR QUEENBEE 編曲 DR QUEENBEE 

評価点数の見方