日向坂46 宮地すみれ 評判記

「メロ・アイドル」
宮地すみれ、平成17年生、日向坂46の第四期生。
「生まれながらのあざとさ」という言葉の矛盾したキャラクターを作り上げファンをとりこにしている。耳と頬を真っ赤に染めて、心を砕き、ファンに妖しく媚びるその姿はすぐれてエモーショナルで、一風変わったコケットリーなアイドルを完成している。強い自己演出のなかに素顔をさらけ出しているという意味では、類型的なアイドルに見えて、その実、ありそうでなかったキャラクターを出したアイドルと云えるかもしれない。
「あざとさ」を、ポジティブに生きる姿勢だとするアイドル本人の自意識もさることながら、ファンもまたアイドルのキャラクターが思考を巡らし演出されたものであることを前向きに理解し、受容しているように見える点は、AKB48から連なるアイドルシーンの境地を覗き見た心地にさせる。
飾った表情も、飾らない姿のどちらも魅力的なアイドルだということだが、日常の場面に描かれるそのコケットのインパクトが強すぎるのだろうか、あるいは、ただ単に音楽的なセンスに欠けているだけなのか、わからないが、宮地は音楽の世界観、とりわけ秋元康が広げる詩情のシチュエーションに馴染むことができない、大きな欠点をもっている。”メロい”アイドルだが、メロドラマを演じきることができないという、矛盾を抱えている。
総合評価 61点
アイドルとして活力を与える人物
(評価内訳)
ビジュアル 12点 ライブ表現 11点
演劇表現 12点 バラエティ 13点
情動感染 13点
日向坂46 活動期間 2022年~