質問への返答 4

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「最近注目しているアイドルは小越春花さんです」

「質問への返答」というタイトルですが、前回の「返答」以後、質問をいただくことはあまりなく、お便りのほとんどが記事に対するリアクション、惹起であるようです。ビジネス関連の問い合わせも届くようになり、中にはアダルト動画の紹介文を書いてみないか、というものもありました。おもわず苦笑しましたが、正直お金をたくさんもらえるなら……とも考えこころが揺れました。でもいざ確認してみるとまったく儲からないお話だったのでお断りしました。でもこれ一番おもしろいと感じたのは、アイドルを真面目にやや窮屈に詩的に語ろうとする試みが、アダルト動画制作の関係者にはアダルト動画の紹介文を書くことと通い合っているように映っているという点です。アイドルを真面目に論じる、という行為がアイドルに興味をもたない人間にとってはいかに幼稚でバカげたものなのか、よくあらわれたエピソードではないでしょうか。たとえば、文壇に身を置く作家に、アダルト動画の紹介文を書いてくれ、なんて依頼は絶対に来ないはずです。いやもちろん、アダルト動画の世界にだって真剣にレビューしている人もいるのだろうけれど。差し出された資料をみた限りでは書き手の真剣さがうかがえるページはどこにもなかった。
それでもアイドルを真面目に大仰に語る、この姿勢を変えるつもりはありません。先日、知人から興味深いエピソードを聞きました。『ちびまる子ちゃん』の作者であるさくらももこは、学生時代に担任の教師から自身の作文を「まるで清少納言のような文体」と評されそれで才能が開花したという。学生の作文に対して清少納言は大仰に映るけれど、そういう大げさなもの、過褒にみえる表現を真剣に受け止めることができる万能感とか無垢さというものが人を夢へとつき動かすわけです。アイドルとは自己投影の対象でもあるから、アイドルを真面目に語る行為を受け入れることができる、というのは、それはつまり自分自身真面目になにかを考えている、生きている、ということにつながるわけです。

では、今回も簡潔ではありますが、質問、意見に返答したいとおもいます。(「Q」の文言は筆者による要約)

Q:推しメンバーは?
A:私の「推し歴」、こちらで回答しました。

Q:おすすめの小説は?
A:他人に本をすすめることほどむずかしいものはありませんが、アイドルファンという枠を用いれば、リュシアン・ルバテの『ふたつの旗』でしょうか。もし近くの図書館で見つけたら是非手にとってその豊穣さを実感してみてください。

Q:乃木坂46 4期生 特集について
A:抒情的で情熱的な文章をまえに、おおきな宿題を頂戴したように感じます。個別返答すべき内容だとおもいましたが、お便りが批評性を帯びているため、「批評」の批評になってしまうのではないか、と考えこの場をもって返答とします。

Q:アイドルと恋愛について
A:これはこの題材で一本記事が書けそうなのでここでは端的にしか答えませんが……、いまおもうのは、
1、恋愛禁止、ではなく、恋愛禁止が暗黙のルールである、暗黙の了解である、ということをアイドルに押し付けてはいないか?
2、ファンは物語の読者にすぎず、物語の登場人物として参加する可能性はあっても介入することは絶対にできない。つまりアイドルの恋愛に対し、自分がどのようにリアクションするか、感想・批評を持つのかという立場しか与えられていない。
3、アイドルの恋愛に対し立場を固定したがるファンが多いようにみえるがそんな必要はどこにもない。容認派、否定派、という枠を設け意見を述べる、という行為そのものが想像力を欠いている。

Q:加筆、修正=リライトされる記事が多くて都合が良いようにみえる
A:これはなかなか鋭い指摘で、たしかにそのとおりだとおもいます。この記事を書くまえも山下美月のページにすこし手を加えました……。文章は切ったり貼ったりするものじゃない、加筆を繰り返すとみんな同じような内容になってしまう、と言ったのは福田和也ですが、これは文章を書く人間ならだれでもいちどは遭遇する隘路ではないでしょうか。しかしブログ、とくにアイドルについて書く文章に限っては、リライトにこそ書く楽しさがあるようにも感じます。というのも私自身まだまだ未熟な物書きなので書けば書くほど成長を日々感じる段階にあります。つまり私の個人的体験という意味で、リライトすることがアイドルとの成長共有になっている、ということなのです。アイドルを真剣にとらえ文章にすることで書き手もそのアイドルの横顔に刺激され成長する。もちろん評価を覆す場合はリライトに頼る必要はなく、新編として追記すればいいだけですが。読者がここをどう読むだろうか?という想像よりも、ここをどう読んだのだろう?という想像のほうが自分を突き動かすわけですね。だから記事を公開しなければ出会えない発想があり、それをどうしても付け加えたくなってしまい、結果、加筆が多くなってしまうわけです。

2021/04/09  楠木

 

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