AKB48 野呂佳代評判記

「AKBのミクロコスモスを覗く」

野呂佳代、昭和58年生、AKB48の第二期生。
抜群の多様性をもつことが演技力を磨くのか、並外れた演技力を秘めるから、多様性が鍛えられるのか、わからないが、芸能におけるあらゆる事象に適応する力を備えた人物である。
卒業後の豊穣なキャリア――アイドルだった頃とは比較にならない紆余曲折を経て得た人生の成功――と比べれば、アイドル時代の物語はかなり痩せて見えるが、むしろ秋元康のきまぐれの眼力にかなってアイドルの扉をひらいたその「幸運」をどのような場面にあっても手放さなかった点に、この人の才気を見るべきだろう。ふてぶてしさにウィットをかけた、夢に決着をつけない、枯渇することのないその生存意欲にはたじろぐものがある。
今日では、演劇におけるバイプレーヤーだとメディアに喧伝されるが、現役当時からすでに演技の才をアイドルの表層にみちびきだしていたことは、グループのファンならば、多くが知るところである。その意味では、野呂が芸能界に生き残り続ける限り、アイドルファンはそこにAKBのミクロコスモスを覗き続けることだろう。

総合評価　69点

アイドルとして活力を与える人物

（評価内訳）

ビジュアル　11点　ライブ表現　13点

演劇表現　13点　バラエティ　18点

情動感染　14点

AKB48　活動期間　2006年～2010年
SDN48　活動期間　2010年～2012年