乃木坂46 小川彩 評判記

乃木坂46

小川彩(C)音楽ナタリー

「アレグレット・アイドル」

あんなに健康的なものを、よくこれだけ卑猥な目で見られますね。心の中で小さく嘲ってみたら、興奮した。あれだけ健康的にすくすくと輝いているものをここまで貶めてしまえるのはすごい。

綿矢りさ / 蹴りたい背中

小川彩、平成19年生、乃木坂46の第五期生。
デビュー以来、つねにその成長をもって、ファンを魅了してきた。歌、ダンス、演技など、全心を集中したパフォーマンスは、AKB、乃木坂を問わず、多くのアイドルに歴然たる差をつけている。小川彩の成長を想うことが、そのままグループの未来を思い描くことに結ばれるという感慨すらある。
けれどこの人が非凡であるのは、そうした「希望」のすべてを乗り越えて、未知なるものとつながって見える点である。若さというだけでは説明のつかない大望を、この少女は抱いている。たとえばその大望の手がかりとして現れる、アイドルファンから向けられるフィランダラーな目線に対し無自覚である「少女」を途轍もなく強い自覚のなかで演じているかのように見える豪宕さ、処女性とエロティックを同時期にその身内に奏でるアレグレットな歩調には、たじろぐものがある。未成熟な少女がファンのうちでどのような過程を経てアイドルへと昇華されるのか、インモラルな、道義なき瞬間を、するどく感知しているのだ。青春は、また青春に抱く屈託は、若者の想像力を豊かにする。心の底になにか、解消されない、暗いかげを落とす。心の底にそういうものがあったほうが、そういうものを持っているほうが、想像力、発想力の豊かなアイドルが育つ。小川彩には、それがあり、またそれに打ち負けない、それに立ち向かうだけの、勇気もあるようだ。その知勇をして、近い将来、紛れもないエース、本格派アイドルとなって、乃木坂46の一時代を背負うメンバーへと成長を遂げることだろう。

 

総合評価 74点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

(評価内訳)

ビジュアル 16点 ライブ表現 15点

演劇表現 16点 バラエティ 13点

情動感染 14点

乃木坂46 活動期間 2022年~